資産運用における様々なリスク
資産運用の基礎知識 Vol.06
現在、銀行の定期預金などの利率が低いことから、株式、投資信託、外貨預金、先物取引などリスクの高い金融商品で資産運用をする方も増えています。
しかしながら、これらの金融商品の仕組みやリスクについて、正しく理解している人ばかりではありません。
自分の資産を守るためには、運用する金融商品の仕組みやリスクを理解することが必要不可欠です。
また、資産運用を行う際にはその目的や期間など様々な面に考慮が必要です。
株式や投資信託の元本割れリスク
株式や投資信託といった金融商品は、購入した時の価格よりも下落した場合、運用資産が減少する元本割れのリスクがあります。
これらの取引を行う際には情報の収集・分析をして、それを取捨選択し、投資に反映させていきます。例えば、株式投資では自然災害や世界情勢など、先を読む事が難しい事象が発生することもあり、株価が制限値幅(※)いっぱいまで大きく上昇・下落することもあります。
仮に、株価が大幅に下落して含み損が発生している銘柄を保有している場合には、その後の動向を予測し、損切り(決済)などを行ない、最悪のリスクを回避する選択も必要となります。
株式市場では1日に株価が変動する値幅が決められており、値幅制限いっぱいまで下落する現象を「ストップ安」といいます。その逆を「ストップ高」といいます。
海外金融商品におけるリスク
海外金融商品を運用対象とする場合には、売買による元本割れリスクの他に為替の動きにも注意して取引しなくてはなりません。
償還や売却の際には、外貨建ての状態から日本円に交換することになりますので、売却時の為替レートが購入時の為替レートよりも円高となった場合、為替差損が発生します。
尚、外貨預金の場合、外貨ベースでの元本割れはありませんが、上記のような為替リスクがありますので、高い金利の利息が得られても、為替レートの変動により、結果的に元本割れリスクが発生する可能性があります。
レバレッジ性の高い金融商品のリスク
外国為替証拠金取引(FX)や商品先物取引などは総取引代金の数パーセント(FX:約4%、商品先物取引:約2~6%)の証拠金で取引を始めることができます。総取引代金の一部の証拠金を預ければ取引できることから、レバレッジ効果が発生します。
そのため、相場の変動幅が小さくとも、大きな額の利益または損失が生じることのあるハイリスク・ハイリターンの取引なのです。
従って、相場変動によっては、預託した証拠金の額を上回る損失が発生する可能性があります。
資産運用には必ずなんらかのリスクが伴いますが、リスクを管理し、仮に損失となっても自分自身で納得のいく範囲に止められるよう取り組むことが大切です。
資産運用を長期的に行なうか、短期的に行なうかなどの条件によって判断は異なりますが、必要に応じて適切な決断を行うことが自身の資産を守り、時には有効な攻めとなるのです。
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