投資の確定申告をする方法
資産運用の基礎知識 Vol.26
株式の売買や先物取引などで得た利益は、原則として確定申告をしなければなりません。しかし、特定口座を開設して株式投資などを行なっていた場合は、確定申告しなくても良いケースがあります。
ここでは株式等で確定申告が必要かどうかの基準と、確定申告の方法について説明します。
確定申告とは
確定申告とは毎年2月16日から3月15日の間に、前年1月1日から12月31日までの年間に得た所得を国に申告し、その所得から国に収める税金を決定し、支払う制度です。現在ではインターネット経由でも確定申告ができるようになりました。
一般的な会社員の場合、多くの場合は会社が行なう年末調整によって、所得税額が決定し納税もされているため自分で確定申告をする必要がありません。
確定申告が必要なケース
しかし、会社員でも給与収入が2千万円を超えている方、給与所得や退職所得以外の所得合計が年間20万円を超えている方、2ケ所以上で給与の支払いを受けており、主になる給与以外の給与収入と、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円を超えている方は、確定申告が必要になります。
つまり、株式投資などで20万円以上利益があった場合は、原則として確定申告が必要になります。
3つの口座タイプについて
株式投資を行うための口座には3タイプあり、その1つを選んで開設します。
・一般口座
年間取引報告書は証券会社では作成されず、確定申告を行う必要があります。
・特定口座(源泉徴収あり)
譲渡益が発生する都度源泉徴収が行われ、確定申告を行う必要はありません。
・特定口座(源泉徴収なし)
証券会社から送られてくる年間取引報告書を用いて確定申告を行う必要があります。
特定口座で確定申告が必要かどうかチェック
源泉徴収のあり、なしに関わらず特定口座を開設した場合、証券会社が年間取引報告書を作成してくれるため年間の損益が簡単に計算できます。
特定口座を「源泉徴収あり」で開設した場合は、利益を得る都度証券会社が徴収し、代理で税金を納めてくれるため、確定申告をする必要がありません。しかし、譲渡損失の繰越控除をする場合は、確定申告をしなければなりません。
(※譲渡損失の繰越控除とは、年間の損益を通算して損失となった場合に、確定申告を行うことにより、損失の金額を翌年以降3年間にわたって、株式投資による所得の金額から繰越控除することができます。)
また、複数の証券会社を利用している場合、税額は各証券会社ごとに計算されるため、本来よりも多く税金が徴収される場合があります。この場合は修正申告をする必要があります。
「源泉徴収なし」で開設した場合は、年間の売買の利益が20万円を超えた場合に、確定申告を自分で行わなければなりません。
一般口座の場合、利益が20万円を超えると、年間取引報告書を自分で作成し、確定申告をする必要があります。
また、一般口座は自分で確定申告をしなければならないという煩雑さから、多くの個人投資家は特定口座を選択します。
確定申告をする場合
株式の確定申告をする場合、売買履歴である取引報告書が必要になります。この取引報告書を元に、所得税の確定申告書や株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書へ転記や集計を行ないます。こういった一連の作業や申告が面倒だと感じる方は、特定口座を利用するとよいでしょう。
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