経済・商品指標用語集

あ行

ISM製造業景況指数

米供給管理協会(Institute for Supply Management)が公表している米国内の製造業の景況感を示す景気動向指数。毎月発表される米国の主要経済指標の中で、最も早い第1営業日に発表される。300社を超える製造業企業に対してアンケートを実施し、数値が50を上回ると景気の拡大、50を下回ると景気の後退が示唆される。

IFO景況指数

ドイツの大手経済研究所であるIFO経済研究所が毎月下旬に発表する景況感指数。約9000社のドイツ企業を対象にドイツ経済の現況と今後6か月の先行きについて、生産、在庫、受注、価格、雇用の項目に分かれたアンケート調査を実施し、指数化したもの。ユーロ圏の経済指標の中でも最も注目される指標の一つ。

EIA週間在庫統計

米国エネルギー情報局(EIA)が公表している原油、ガソリンなどの在庫週報。原則、毎週水曜日の米国東部時間10:30(日本時間:夏時間は水曜日23:30、冬時間は木曜日00:30)に、前週金曜日時点の在庫量を公表しており、原油価格に影響を与える統計指標として認知されている。

  • 祝日などの関係で発表日が水曜日からずれた場合は、発表時間も30分後ろにずれる。

ADP雇用統計

米民間調査会社のAutomatic Data Processing(ADP)社が発表している、民間部門の雇用者数の変化を推計した指標。米労働省が公表する雇用統計と集計方法が異なるものの、雇用統計に先行して発表されるため市場の注目を集めている。

API週間在庫統計

米国石油協会(API)が公表している原油、ガソリンなどの在庫週報。原則、毎週火曜日の米国東部時間16:30(日本時間:夏時間は水曜日05:30、冬時間は水曜日06:30)に前週金曜日時点の石油在庫を発表している。政府の公的機関による全数調査のEIA週間在庫統計に対し、こちらは業界団体によるサンプリング調査の為、データの正確性という点ではEIAに劣るとみられるものの、EIAに先駆けて発表される為、在庫の増減や予想値に対する乖離等により、原油価格に影響を与えるとみられている。

NAHB住宅市場指数

全米住宅建設業者協会(NAHB)が毎月発表している、米国の不動産業者(住宅建設業者)の景況感を示すもの。NAHBに加盟する住宅建設業者に対して、今後6カ月の住宅販売の予測アンケートを実施して数値化。一般的に50を分岐点とし、50を上回ればポジティブな(住宅市場に明るい)見通し、一方で50を下回ればネガティブな(住宅市場に暗い)見通しとなる。

FOMC議事要旨

米連邦準備制度理事会(FRB)が政策金利の発表日から約3週間後に公表している、米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録を要約したもの。FOMC声明文だけでは把握しにくい、政策判断がなされた経緯などが記録されていることから、次回以降のFOMCの動向を占う上で市場関係者から注目されている。

MBA住宅ローン申請指数

米抵当銀行協会(MBA)が毎週水曜日に発表している個人の住宅ローン申請件数を指数化したもの。あくまで申請ベースのため、個人が複数回申請した場合は全て計算に含まれているなどの注意点もあるものの、住宅販売件数などの先行指標として捉えられている。

か行

機械受注

内閣府経済社会総合研究所が主要機械等製造業者を対象として各企業の受注額を集計した統計で、毎月発表される。一般的に企業が増産を行うには設備投資が必要となるため、機械受注は企業の設備投資に一定の先行性を持っているとされる。

建設許可件数

新たに建てる建築物で政府や自治体から許可された件数。建設開始前に許可申請が行われるため、住宅着工件数の先行指標となる。アメリカでは代表的な住宅統計の1つで商務省が毎月第3週に前月の数値を発表。

景気先行指標総合指数

米国の経済団体や労働組合などで構成される全米産業審議会(コンファレンスボード)が、株価や週平均労働時間、新規住宅着工件数など、実際の景気動向に先行して動くとされる10項目の要因から算出した指数のこと。原則として毎月15営業日に発表される。

小売売上高

百貨店、スーパー、コンビニなどの小売・サービス業の売上金額をまとめた指標。個人の消費動向を把握することができ、景気の先行きを予想するうえで重要な指標の一つ。米国は個人消費がGDPの約7割を占めており、他の先進国よりも高い傾向にある。その為、個人消費の動向が景気全体に与える影響も大きく、注目度の高い指標となっている。なお、米国では毎月第2週ごろに発表される。

鉱工業生産指数

鉱業や製造業の生産活動を指数化したもので、基準年(国によって異なる)を100として算出し、そこからの水準の推移によって生産動向を把握。

国内総生産(GDP)

「Gross Domestic Product」の略。国内で一定期間内に新たに生産されたモノやサービスの付加価値の合計額で、国の経済状況を見るうえで欠かせない指標の一つ。

個人消費支出

米商務省が毎月末に発表している個人消費の物価動向を示す指標。名目PCEを実質PCEで割ったPCEデフレーターから価格変動が激しい食品とエネルギーを除いたものは「PCEコアデフレーター」と呼ばれており、FRBが重要視している物価指標としても知られる。

雇用動態調査(JOLTS)

米労働省が毎月公表している、労働需要の動向を示した指標。雇用統計が労働者側から見た統計であるのに対して、JOLTSは採用側から見た統計となっており、産業別に求人数、離職率のほか、求人率、採用者数、採用率、離職者数を公表している。近年では、FRBが米国の雇用情勢をみる際に雇用統計と合わせて注視していると挙げられたこともあり、雇用情勢への市場の関心が高い際に注目されることがある。

 

さ行

Caixin製造業購買担当者景気指数(PMI)

中国の400を超える民間サービス企業の購買担当に、雇用、生産、新規受注、価格などの項目でアンケートを実施し、景況感を測定したもので毎月発表される。一般的に50を基準とし、50を超えると景気拡大、下回ると景気減速を示唆。

失業保険継続受給者数

米労働省が原則、毎週木曜日の米国東部時間08:30(日本時間:夏時間は木曜日21:30、冬時間は木曜日22:30)に公表している、公表日2週前時点での失業保険の受給者数。新規失業保険申請件数とは異なり、実際に受給資格を得た者からの申請件数を集計している。

失業率

労働力人口に占める失業者の割合(失業者数÷労働力人口)。日本では完全失業率とも呼ばれる。

消費者信頼感指数

消費者のマインドをアンケート調査で指数化した景気関連指標。米国のカンファレンスボード(全米産業審査委員会)が毎月公表するものが代表的で、5000世帯の消費者に対し現在から半年後の景況感についてアンケートを実施し、1985年を100として指数化した指標。

消費者物価指数(CPI)

消費者が購入する各種の消費やサービスの小売価格の変動を調査し算出した指標。CPI(Consumer Price Indexの略)と呼ばれ、季節的な影響で価格が変動しやすい生鮮食品を除いた「コア指数」が特に注目される。生産者物価指数(PPI)とならび、各国のインフレ動向を測るうえで重要な指標。

住宅着工件数

着工された新設住宅の件数。景気動向を見るうえで注目される指標の一つ。国によって異なるが、米国では商務省が毎月第3週に前月の数値を発表。

新規失業保険申請件数

米労働省が原則、毎週木曜日の米国東部時間08:30(日本時間:夏時間は木曜日21:30、冬時間は木曜日22:30)に公表している、公表日前週1週間中に新たに申請された失業保険の件数に季節調整を加えたもの。あくまで申請された件数を元にしており、実際に受給資格を満たすかどうかは問われない。40万件を景気局面の分岐点とする考え方が知られており、数週間に亘って40万件を超過する状態が続いている場合は景気後退局面に入ったと認識される。

生産者物価指数(PPI)

生産者が出荷した製品や原材料などの販売価格の変動を調査し算出した指標。PPI(Producer Price Indexの略)と呼ばれ、各国のインフレ動向を測る指標として消費者物価指数(CPI)とならび注目されている。

政策金利

各国・地域の中央銀行が景気や物価の安定など、金融政策において目的を達成するために設定する短期金利(誘導目標金利)のこと。一般的に好景気によるインフレ傾向になると経済の加熱を抑えるために政策金利を引き上げ、反対に不景気によるデフレ傾向になると経済を刺激するため政策金利を引き下げる。

世界需給報告(WASDE)

米農務省(USDA)が毎月10日ごろに公表している、世界および米国の主要穀物の最新需給予測をまとめたもの。統計の信頼性が高く、世界中の市場関係者が注目しているといわれる。

設備稼働率

生産能力に対する実際の生産量の比率で、設備投資の先行指標とされている。80%を超えると投資が活発化するといわれている。米国では、連邦準備制度理事会(FRB)が鉱工業生産と同時に毎月発表している。

ZEW景況感調査

ドイツの民間調査会社である欧州経済研究センター(ZEW)が毎月1日に発表するドイツの景気予測指数。アナリストや機関投資家、約350人を対象に今後6か月の景気見通しについてアンケート調査を行い、50を上回ると好況、下回ると不況とみなされ、同じくドイツの景況感指数であるIFO景況感指数より1週間ほど早く発表されるため、景況感指数の先行指標とされている。

た行

耐久財受注

企業における耐久財の新規受注額を集計した指標で、生産・設備投資の先行指標として知られる。耐久財とは、自動車・家具・航空機など耐久年数3年以上の消費財のこと。米国では商務省が毎月下旬に発表する。速報性が高く、民間設備投資の先行指数として注目されている。

中古住宅販売件数

全米不動産協会が発表している、米国の中古住宅の販売件数を集計した指標。住宅の所有権が移転した段階で集計するため、契約段階で集計する新築住宅販売件数とは1~2ヵ月程度の時差があるものの、米国の中古住宅市場は新築住宅よりも規模が大きいほか、住宅販売後に家具・家電製品などの耐久財に対する家計の需要が増加することから、景気に対して先行性が高いと言われており、注目されている。

通関ベース貿易収支

財務省が毎月公表する貿易統計をもとに算出された貿易収支。貨物が税関を通過した時点で輸出入額を集計し、輸出は運賃、保険料を含まないFOB価格、輸入は運賃、保険料を含めたCIF価格で計上される。なお、運賃、保険料等の諸経費についてはサービス収支に計上される。

な行

日銀短観

日本銀行が年4回(3月、6月、9月、12月)、景気の現状と先行きについて企業にアンケート調査をし、日本経済を観測するもの。全国の大手企業と中小企業、製造業と非製造業などに分けて約1万社以上を対象に業績や設備投資の状況、雇用などについて実績と今後の見通しについて調査し、調査の翌月に公表(12月のみ当月に公表)される。景気動向を占ううえで重要な経済指数のひとつ。

は行

非農業部門雇用者数変化

米労働省が毎月第一金曜日に公表する雇用統計の指標の一つで、農業部門を除いた民間企業や政府機関などの産業分野における雇用者数の増減を表した統計。失業率と並び、米国の雇用情勢を表す指標として注目度が高い。

米石油採掘装置(リグ)稼働数

米国の大手油田サービス会社のベーカーヒューズ社が公表している、北米でシェールオイル開発のための掘削を行っている石油採掘装置(リグ)の数。原則、毎週金曜日の米国東部時間17:00(日本時間:夏時間は土曜日02:00、冬時間は土曜日03:00)に公表している。実際にシェールオイルが生産されるまでは掘削開始から約半年程かかるため、生産量の先行指標として認知されている。

貿易収支

輸出額から輸入額を差し引いた金額。輸出額が輸入額を上回る状況を貿易黒字、輸入額が輸出額を上回わる状況を貿易赤字という。貿易黒字が増えるとGDPを押し上げる要因となり、逆に貿易赤字が増えると押し下げられる。

ま行

ミシガン大消費者信頼感指数

米ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターが毎月発表している消費者マインドの指数。1966年を100とした指数となっており、300人~500人にアンケート調査をし、指数化したもの。毎月第2または第3金曜日に速報値が、最終金曜日に確定値が発表される。カンファレンスボードが発表する消費者信頼感よりも対象人数が少なく、発表時期も早いことから先行指標として注目されている。

や行

USDA作付け意向面積

米農務省(USDA)が毎年3月末に公表している、全米各地の生産者に対して行った3月1日時点での作付け意向面積をまとめたもの。あくまで意向であり、その後の作付け期の天候や価格動向によって実際の作付け面積は変更されることがある。

USDA四半期在庫

米農務省(USDA)が3月、6月、9月、12月の各月1日現在の生産者在庫および非生産者在庫に関して行った調査結果を、年4回(1月、3月、9月、12月)公表している。なお、12月分は月末が年末年始と重なることから1月に発表される。生産者の販売状況や消費動向の目安となる重要な役割を果たしている。

USDA輸出検証高

米農務省(USDA)が原則毎週月曜日に公表している、前々週金曜日から前週木曜日までの1週間の輸出検査数量。米国からの農産物輸出には、法律で最終輸出時点での品質と重量の検査が義務付けられているため、輸出予定の穀物はすべて検証高上に表れるものの、実際には輸出されなかったものも含まれる。

USDA輸出成約高

米農務省(USDA)が原則毎週木曜日に公表している、前々週金曜日から前週木曜日までの1週間のすべての輸出成約数。商品ごと、穀物年度ごと、仕向地別、新規契約、キャンセル量、成約残高・既船積の区分付きで公表される。

ら行

リッチモンド連銀製造業指数

米国の地区連銀のリッチモンド連邦準備銀行が毎月下旬に公表している、ワシントンD.C.やバージニア州、ノースカロライナ州などリッチモンド連銀の管轄地域における景気予測指数。一般的に0を基準とし、プラスであれば景気拡大、マイナスであれば景気減速を示唆するといわれている。

わ行

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