商品先物取引における注文の執行条件(注文の名称解説)

注文の執行条件について

こちらのページでは、現在弊社で取り扱いの執行条件について解説いたします。

各執行条件の解説

執行条件 執行条件詳細(弊社仕様)
指値注文

約定条件:FaS

価格を指定して発注する売買注文です。
売り注文であれば指定価格以上で約定します。
買い注文であれば指定価格以下で約定します。
また、約定残枚数は※板に残ります。

※市場に発注されている売り方と買い方の指値を気配値といいますが、この気配値を一覧に並べたものを「板」(気配値表)と呼びます。

成行注文

約定条件:FaK

価格を指定しないで発注する注文で、約定できる枚数は約定し、残枚数はキャンセルされる注文です。

  • 対当する注文がない場合は、板に残りません。
  • 全量約定を保証するものではありません。
  • 直近の約定値から乖離し、思わぬ値段で成立する場合があります。
  • 堂島取引所貴金属銘柄については指値のみで成行はございません。
約定条件の種類
(略称)
説明
Fill and Store
(FaS)
約定できる数量は約定し、残枚数は板に残ります。
Fill and Kill
(FaK)
約定できる数量は約定し、残枚数はキャンセルされます。
Fill or Kill
(FoK)
全量約定するか、全量約定できない場合はキャンセルされます。
※弊社では、取扱いございません。

その他の執行条件

執行条件
(弊社独自の条件)
売買注文の説明
逆指値・成行 買い注文の場合、直近の約定値段が指定値段以上となると、成行注文が発注されます。
売り注文の場合、直近の約定値段が指定値段以下となると、成行注文が発注されます。
逆指値・指値 買い注文の場合、直近の約定値段が指定値段以上となると、指値注文が発注されます。
売り注文の場合、直近の約定値段が指定値段以下となると、指値注文が発注されます。
  • 通常の注文とは異なるシステムロジックになっております。取引所においてお客様が指定した値段に到達後、弊社サーバーから取引所に成行/指値のいずれかを発注するまで、若干のお時間を頂きます。
  • 堂島取引所貴金属銘柄については逆指値・指値のみで逆指値・成行はございません。

■ 引け条件付き注文

項目 内容
引成注文 引板合わせ時に成行注文として登録されます。
引指注文 引板合わせ時に指値注文として登録されます。
  • 引成注文・引指注文において、弊社のシステムでは有効期限を発注時の営業日以降に設定されても、発注を行った当該セッションの引板合わせ時に約定しなかった場合は取消されます。なお、SCB幅外の値段を指定した注文については取引所で受け付けられないため(弊社サーバーで待機となります。)、SCB幅外の値段にて発注された引指注文は取消はされません。
  • 夜間立会終了前のNCP(ノンキャンセル・ピリオド)に発注された引け条件付き注文(引成注文・引指注文)につきましては、引板合わせの対象外となります。
  • 堂島取引所貴金属銘柄については引け条件付き注文はございません。
関連リンク

逆指値注文とは

「価格が上昇し、指定した値段以上になれば買い」、「価格が下落し、指定した値段以下になれば売り」というように、現在の値段よりも指定した不利な値段に到達した段階で注文を発注することを「逆指値」注文といいます。

通常の指値注文とは異なり、指定値段より高くなったら買い、指定値段より安くなったら売りという注文になり、この「逆指値」注文を活用することで、損失の発生を極力防ぐロスカットの役割を持たせることが可能です。

その「逆指値」注文には、指定した値段に到達した際に成行注文を発注する「逆指値・成行」注文と、指定した値段に到達した際に指値注文を発注する「逆指値・指値」注文がございます。
このページでは、「逆指値・成行」注文と「逆指値・指値」注文の違いについて解説しております。

逆指値の使い方(買い注文編)

逆指値の使い方(売り注文編)

逆指値・成行の解説

「逆指値・成行」注文を使った損失の拡大を極力防ぐロスカットの役割を持たせた手法について、金(標準取引)の買いを例に説明します。(委託手数料は考慮いたしません。)

逆指値・成行の解説
  1. 金7,500円を約定値段として、買いポジション1枚を保有しております。
  2. 値下がりによる損失の限度を50,000円程度(50円幅)に抑えたいと考えており、仕切り注文で指定値段「7,450円」の売りの逆指値・成行を発注します。
  3. 値段が指定値段の「7,450円」に到達した時点(市場で7,450円の約定がなされた時点)又はそれ以下となった時点で、売りの成行注文が市場に発注されます。
  4. 成行注文ですので、市場の状況により指定した通りの7,450円で決済注文が約定することもあれば、7,449円、7,451円といったように指定した値段から前後して約定する場合もあります。
    また、相場状況によっては更に乖離した値段で約定する場合もあります。
  • 成行の場合、対当する注文が無い場合、残注文はキャンセルされます。

ロスカットを利用する場合、一般的には「逆指値・成行」

上記の例のように、「逆指値・成行」注文は、あらかじめ指定しておいた現在値段より不利な値段(売りであれば安い値段、買いであれば高い値段)に到達するまでの間、弊社取引システムで値段監視を行い、監視値段に到達した段階で、成行注文が発注されます。

この注文では、約定する値段は市場の状況によって決まるので、いくらで約定するか分からないというデメリットがある半面、注文が約定する可能性は高いので、ロスカットの役割を持たせた手法として「逆指値・成行」注文が広く一般的に活用されております。

逆指値・指値の解説

「逆指値・指値」注文を使った損失を拡大を極力防ぐロスカットの役割を持たせた手法について、金(標準取引)の買いを例に説明します。(委託手数料は考慮いたしません。)

逆指値・指値の解説
  • 「逆指値・指値」の場合、指定値段に到達しても必ず約定するとは限りません。下落(または上昇)が続くなどした場合は値洗い損が拡大していくリスクを伴うことに注意が必要です。
  1. 金7,500円を約定値段として、買いポジション1枚を保有しております。
  2. 値下がりによる損失の限度を50,000円以内(50円幅)に抑えたいと考えており、仕切り注文で指定値段「7,450円」の売りの逆指値・指値を発注します。
  3. 指値注文ですので、値段が「7,450円」から更に下落している間は、売りの指値注文「7,450円」の条件外なので、約定しません。
  4. 値段が「7,450円」以上となった場合、売りの指値注文「7,450円」の条件にヒットし、「7,450円」以上で約定し買い建玉が決済されます。(損失は50,000円以内)。
  • 指値注文の場合、約定の残枚数は板に残ります。

「逆指値・指値」は、約定しない場合に注意が必要

上記の例のように、「逆指値・指値」注文は、あらかじめ指定しておいた現在値段より不利な値段(売りであれば安い値段、買いであれば高い値段)に到達するまでの間、弊社取引システムで値段監視を行い、監視値段に到達した段階で、監視値段での指値注文が発注されます。

その為、あらかじめ指定しておいた値段から、更に不利な方向へ値段が動いてしまった場合は、指値値段まで回復しない限り約定しないというデメリットがある半面、約定する際には売りの場合は指定値段以上で、買いの場合は指定値段以下の値段で約定します。

逆指値注文の活用

逆指値注文では、これまでの解説の通り、その性質上、損失の拡大を極力防ぐロスカットの役割を持たせた手法として、仕切り注文で活用されるケースが多いと思われるかもしれません。
しかし、以下の様なレンジ相場の際に、利益の拡大を狙って逆指値注文を新規注文で活用するケースもございます。

逆指値注文の活用

ある一定の値幅の範囲で長期間推移しているレンジ相場では、いずれ往来するレンジの上限を上抜けた際に(または下限を下抜けた際に)、その方向へと値段が大きく動いていく(レンジブレイク)と判断する分析手法があります。

そうした手法の場合、上図のようにレンジ相場の上限よりも高い値段で逆指値の新規の買い注文を設定しておくことで、値段がレンジの上限を上抜けた段階で逆指値の条件に該当することにより、買いの建玉を保有することが可能となります。また、同様に、レンジ相場の下限よりも安い値段で逆指値の売り注文を設定しておくことで、値段がレンジ下限を下抜けた段階で逆指値の条件に該当することにより売りの建玉を保有することが可能となります。

  • 上記内容は取引の例であり、将来の見通しの的確性、あるいは収益性を保証するものではありません。逆指値を用いて建玉を行い思惑とは逆に値段が動いた場合は、預託した元本欠損又は元本を上回る損失が生ずる恐れがありますので、充分にご注意ください。

商品先物取引にかかる重要事項

商品先物取引の委託者証拠金とレバレッジにつきまして

商品先物取引は委託に際して委託者証拠金の預託が必要となり、最初に預託する委託者証拠金の額は商品により異なります。最低取引単位(1枚)当たり片建証拠金の額は、株式会社日本証券クリアリング機構(JSCC)が算出したVaRパラメータに基づき弊社が定めた額です。商品先物取引の取引金額(商品価格×倍率)に対する委託者証拠金の割合は常に一定ではなく、実際の取引金額は委託者証拠金の十数倍から数十倍(オプション取引を除く)という著しく大きな額になります。

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また、委託者証拠金は、その後の相場変動により追加の預託が必要になることがありますので注意が必要です。その額は、商品や相場の変動によって異なります。

  • 弊社ホームページ等に記載されている商品先物取引とは、商品関連市場デリバティブ取引及び商品デリバティブ取引を総称して表記しており、各売買取引に対し関係法令及び諸規則等に基づく運用及び管理を行っております。

商品先物取引のリスクにつきまして

商品先物取引は、商品先物市場の価格変動、為替相場や株式市場等が予測に反して推移した場合は、損失が生ずる可能性があり、価格変動の幅が小さくても総取引金額では大きな額の変動となる為、その変動の幅によっては損失が預託した証拠金を上回るおそれがあります。

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商品先物取引の手数料につきまして

商品先物取引の委託には委託手数料がかかります。その額は商品によって異なり、プレミアムオンライン取引においては最低取引単位(1枚)当たり片道最高1,980円(税込)セルフコースにおいては345円(税込)です。

商号等:北辰物産株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長 (金商)第3184号、商品先物取引業者 農林水産省指令4新食第2087号、経済産業省20221128商第9号、加入協会:日本証券業協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人日本投資顧問業協会