実質年率(年利)の計算方法
資産運用の基礎知識 Vol.20
預金等の受取り利息、借金の支払い利息、株式の配当、投資の収益など、利率を気にかけている人も少なくないと思います。
「預金の利息1.0%」と「株式の収益率(値上がり率)が3カ月で0.3%」ではどちらの収益性が高いか?と考えた時に、単純に1.0%の方が0.3%より有利というわけではありません。
収益性は同じ条件で比較する必要があるため、期間を1年に統一して計算します。1年に換算した利率を実質年率(年利)と言います。
利率の計算方法
実質年率の計算をするために、まずは利率・収益率の計算方法を覚えておきましょう。
預金等の利息:利息の金額÷元本金額×100=利率(%)
株式等の収益:(売却した金額-投資元本額)÷投資元本額×100=収益率(%)
どちらも考え方は同じで、収益金額を元本で割ればよいのです。
実質年率(年利)の計算方法
次は、年率の計算方法です。通常、預金や債券の受け取り利息や借金の支払い利息は、もともと年率で表示されていますが、株式投資では保有期間が様々であるため、1年に統一して計算します。
では、株式を買ってから約3カ月(91日)経った時に、収益率(値上がり率)が0.3%だった場合の年率を計算してみましょう。
計算式:収益率÷経過期間(日数)×1年(365日)=年率(%)
計算例:0.3%÷91日×365日=1.2%
実質年率では1.2%の収益率となりました。年利1.0%の預金金利より収益性が高かったことがこれで分かります。では、もう一つ、収益率(値上がり率)が0.3%で株式の保有期間が約1年6カ月(547日)だった場合の計算です。
計算式:収益率÷経過期間(日数)×1年(365日)=年率(%)
計算例:0.3%÷547日×365日=0.2%
1年6カ月で0.3%の収益率であったならば、年率にすると0.2%となるため、この場合は年率1.0%の預金金利の方が収益性が高いことになります。
なお、経過期間を簡単な方法で計算するケースもあります。
例えば、株式を700円で買い、配当が50円(年2回配当のうちの1回)出た場合など、厳密な計算を必要としない場合は、月割で計算することがあります。この場合、単純収益率は7.1%(50円÷700円)です。これの年率計算をしてみます。
計算式:収益率÷経過期間(月数)×1年(365日)=年率(%)
計算例:7.1%÷6ヵ月×12ヵ月=14.2%
年率から収益金額を計算する方法
では、年率から実際の収益金額を計算する方法も見ておきましょう。
年利1.0%の預金に100万円を預けて1年経つと1万円の利息になります(100万円×1%)。では、この預金を約3カ月(91日)保有した場合に、利息がいくら付くか計算してみます。
計算式:元本金額×年利率÷1年(365日)×保有期間(日)=収益額
計算例:100万円×1.0%÷365日×91日=2,493円
次に同じく、約1年6カ月(547日)保有した場合の利息は……
計算式:元本金額×年利率÷1年(365日)×保有期間(日)=収益額
計算例:100万円×1.0%÷365日×547日=14,986円
資産運用の基礎メニュー
- 資産運用の基礎
- 資産運用の種類について
- 株価が変動する仕組み
- 金利が変動する仕組み
- 為替が変動する仕組み
- 資産運用における様々なリスク
- 資産運用のリスクを減らすには?
- 資産運用はいくらから始められる?
- 投資信託のリスクとメリット
- 株取引のリスクとメリット
- 先物取引のリスクとメリット
- NISAのリスクとメリット
- 投資にかかる手数料について
- 投資ポートフォリオの作り方
- 投資と貯蓄のバランス
- 余裕資金の運用方法について
- おすすめの資産運用のバランス
- 利回りなど投資の目標設定について
- 老後資金の運用方法
- 実質年率(年利)の計算方法
- 株価などのチャートの見方
- 日本経済新聞の読み方
- 資産運用にかかる税金について
- 投資にかかる税金の金額について
- 投資にかかる税金の優遇措置について
- 投資の確定申告をする方法
- 年末調整と確定申告の違い
- 株式投資の税金の計算方法
- 投資信託の税金の計算方法
- 先物取引の税金の計算方法