投資にかかる税金の優遇措置について
資産運用の基礎知識 Vol.25
2013年末から話題になっていた「少額投資非課税制度」(通称NISA)がスタートしました。同時にこれまで引き下げられていた株式の配当や譲渡益の所得税、住民税の税率が本来の税率である20%に戻りました。
この証券優遇税制を打ち切り、税率が10%から20%になることで、2013年の11月には、国内個人投資家の売越額が2兆円を超し、過去最高となりました。これは優遇税制廃止に影響された売却が多く含まれているものと見られています。
税率が引き上げられる理由
前述したように、これまでは株式や株式投資信託の売却益や配当の税率は10%でした。そもそも、この10%という数字は本来の税率ではなく、株投資の促進効果を狙い、導入された証券優遇税制です。
税率20%が本来の数字としてありましたが、2003年に時限措置として引き下げられた税率が、導入して以来、延長を繰り返し、10年という長期間に渡り続いてきたため、近年では税率10%という数字が定着しつつありました。
しかし、一部から富裕層に対して有利ではないのかといった批判の声も出ており、ついに2014年1月から証券優遇税制は打ち切られました。
納税額はこれまでの倍に!
証券優遇税制は2013年12月31日に終了し、2014年1月1日から税率は本来の税率20%に引き戻されました。税率の内訳は所得税が15%、地方税が5%となっています。
ここに2037年12月31日まで復興特別所得税として、所得税額に対し2.1%が付加税されます。
このため、所得税および復興特別所得税が15.315%、地方税5%、合計20.315%が課税されます。
例えば、これまでは売却益が100万円あった場合、2012年には100,000円の税金を徴収されていましたが、2014年からは203,150円の税金が徴収されることになります。
これからはNISAが常識? 個人投資家にとって非課税はメリットになるか
少額投資非課税制度のNISA(日本版ISA)は、小額投資を行なう個人投資家の味方ともいえる新しい投資のスタイルとなります。もともとはイギリスのISAという制度のことを意味しており、日本(NIPPON)のISAなので、NISAという名称がつけられました。
NISAは個人投資家の税金が優遇される制度で、1年間、100万円分までの株式投資や投資信託にかかる値上がり益や配当金(分配金)が非課税となります。最長5年間、投資の税金が優遇されることになり、どれほど利益が生じても、税金はかかりません。
毎年新規で100万円ずつ購入枠があるため、非課税枠は最大で500万円となります。
通常だと投資で得た利益には税金が課せられますが、NISAは投資専用の非課税口座を設け、利用することによって、非課税で投資をすることが出来ます。NISA口座では投資信託と上場株式の投資を行うことが出来ます。
証券優遇税制は廃止となりましたが、資金の少ない個人投資家にとってはNISAを上手く利用できればより有利に投資が行える可能性もあります。
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