年末調整と確定申告の違い

資産運用の基礎知識 Vol.27

年末調整と確定申告の違い

一般的な会社員の場合、確定申告を行なう必要がない方も多く、年末調整も会社でやってもらえるため、それぞれの機能とその違いについて理解する機会が今までなかった方もいるかもしれません。
年末調整と確定申告の違いとは、一体どのようなものなのでしょうか。

年末調整とは

年末調整とは、対象となる給与所得者に対し、雇用主が毎月支払っている給与の源泉所得税の合計と、実際に支払うべき1年間の所得税の差額を計算し、12月の最終支払日までに正しい金額になるよう追加徴収または、還付といった調整を行うことをいいます。
給与以外に所得が無い場合は、年末調整をすることによって所得税計算と納税が完了しますので、確定申告は必要ありません。会社員が年末調整のみで済むのは、こういった仕組みがあるからです。

年末調整の対象となる人

年末調整は基本的に、会社に雇用されていて年末の時点で在職している人が対象になります。1年を通じて事業所に勤務している人、または年の中途から就職して年末まで勤務している人が対象となります。

確定申告とは

では、確定申告とはどういったものなのでしょうか。前年度の1月1日から12月31日までを課税期間とし、その間の所得税額を毎年2月16日から3月15日までに申告して納税する方法です。
年末調整をしている会社員は確定申告が必要ないと考えている方もいらっしゃいますが、例外もあります。

・給与収入が2千万円を超えている方
・給与を1ヶ所から受けていて、それ以外で所得合計が20万円を超えている場合
・給与を2ヶ所以上で受けていて、年末調整を受けていない給与と他の所得合計が20万円を超える場合

などが挙げられます。例えば株式投資等で20万円以上利益を上げると、確定申告しなければならないということになります。

年末調整をしていたとしても、確定申告することによって税金が戻ってくるケースがあります。

・高額医療費を支払った場合
・災害などに遭い、家屋や家財に被害があった場合
・年末調整で、生命保険料控除や地震保険料控除を受け忘れた場合

などといった場合は、年末調整をしていても、確定申告をすることによって、支払い過ぎた税金が戻ってくる場合があります。

年末調整と確定申告の違い

年末調整は毎月の給与から源泉徴収として所得税を天引きして、毎月分割して先に納税し、年末に実際の所得税額との差額を調整する方法です。
所得税額が足りなければ追加で徴収され、納税額が多かった場合は還付されます。調整は基本的に12月分の給与支払と合わせて行なわれます。

確定申告の場合、納税は昨年1年間の所得税をまとめて翌年に後払いとなります。得た報酬から所得税分を計算して自分で管理しなくてはならないため、自営業の方や個人事業主の方は、お金の自己管理能力が大切になってきます。

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