知っておくと得する!?商品先物取引の確定申告のイロハ

商品先物取引の差金決済を行ったことにより年間の損益を通算して利益となった場合、確定申告をしなければならないことは、ご存知の方も多い筈です。
確定申告と聞いて、「難しそう」、「面倒くさい」等マイナスのイメージを持たれる方もいらっしゃるのではないのでしょうか。


しかし、商品先物取引の利益に対して、税率20%(所得税15%、住民税5%※)が「申告分離課税」により課税され、納税義務がありますので、商品先物取引を行う上では避けて通れません。
※ 2013年〜2037年は、所得税にさらに2.1%の復興特別所得税が課されます。


下記では、「知っておくと得する!?商品先物取引の確定申告に関するイロハ」について、ご紹介します。

1.そもそも確定申告って何?

個人事業主の方などとは異なり、会社員や主婦の方の中には、「確定申告なんてしたことがなく、関係ないんじゃない?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、会社員や主婦の方でも商品先物取引を行っているなら話は別です。


株式の場合は、「特定口座」という制度があり、特定口座で源泉徴収「あり」を選択している場合は、利益に対して一律20.315%が源泉徴収されますので、基本的にお客様が自分で確定申告をする必要はありません。
※ ただし、損失が出た方で繰越控除を受けようとする場合には、確定申告する必要があります。


しかしながら、商品先物取引には、「特定口座」がありませんので、一定以上の利益が出ている場合には、誰でも確定申告が必要になります。


また、損失が発生した場合でも、確定申告でその損失額を申告しておくと、来年以降、利益が出た場合に繰越控除ができます。「今年はマイナスを出しているから関係ない」と確定申告をせず、放っておかず、来年以降のために損失額を申告しておくと、出た利益から控除できます。つまり、節税になります。


下記では、商品先物取引における確定申告のあれこれを、まとめて紹介したいと思います。

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2.商品先物取引は雑所得で申告分離課税。一律20%の税率

まず始めに、商品先物取引の税金の概要を押さえておきましょう。


金融商品から得た所得については、商品ごとに所得の種類や課税方法が異なりますが、商品先物取引は、「雑所得」に分類され、課税方法は分離課税。分離課税のなかでも一定の税率で自動的に所得税が徴収される源泉分離課税ではなく、自分で申告する必要がある「申告分離課税」が適用されています。


つまり、前記のとおり、商品先物取引で一定以上の利益が出ている場合には、誰でも確定申告が必要ということになるのです。税率は、算出した所得に対して一律20%(所得税15%・住民税5%)(※)となっています。
(※2013年〜2037年は、所得税に対して2.1%復興特別所得税が課されるため、期間中の税率は所得税、住民税合計で20.315%です。)


ちなみに、他の金融商品の税金については、以下の通りです。金融商品によって、バラつきがあるのがわかります。

主な金融商品の税金概要

商品名 所得の種類 課税方式 税率
株式関連 株式(売却益) 譲渡所得 申告分離課税 20%
株式(配当) 配当所得 源泉分離課税 20%
投資信託 ETF(売却益) 譲渡所得 申告分離課税 20%
ETF(配当) 配当所得 源泉分離課税 20%
外貨関連 外貨預金(利息) 利子所得 源泉分離課税 20%
外貨預金(為替差益) 雑所得 総合課税 15%〜50%
先物・FX等 商品先物(売買益) 雑所得 申告分離課税 20%
日経225先物(売買益) 雑所得 申告分離課税 20%
FX取引(売買益) 雑所得 申告分離課税 20%
債権関連 利付債(利息) 利子所得 源泉分離課税 20%
利付債(売却益) 非課税 - -
利付債(償還益) 雑所得 総合課税 15%〜50%

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3.商品先物取引で出た利益には未決済のものは含まれない。

「商品先物取引で出た利益」とは、差金等決済し、確定した売買差益のことを言います。未決済の含み益は課税対象にはなりません。

尚、1年間の損益については、お取引画面内(商品先物取引に関する調書)で確認することができます。

実際のお取引例

【具体例1】

東京金を4,200円で10枚買い建玉
2016年12月30日日中取引終了時点、金価格4,300円(含み益100万円発生)
未決済、買い建玉はそのまま来年に持ち越しする場合。
※尚、2016年1月4日9:00〜2016年12月30日15:15まで(以下、「2016年内」とします。)の実現損益はなしと仮定します。
⇒年末時点で100万円の含み益が発生しているが、買い建玉を決済していない為、2016年内の通算損益は0円なので、確定申告の必要はありません。


【具体例2】

東京金を4,200円で10枚買い建玉
2016年12月30日日中取引終了時点、金価格4,100円(含み損100万円発生)
未決済、買い建玉はそのまま来年に持ち越しする場合。
※尚、2016年内のこれまでの実現益が100万円発生していたと仮定します。
⇒2016年内に発生した実現益が100万円。年末時点での含み損が100万円発生しているが、含み損は実現益と相殺されない為、実現益100万円が課税対象となります。


【具体例3】

東京金を4500円で10枚買い建玉 同4,300円で10枚売り建玉 (両建て)
2016年12月30日日中立会終了までに、4,200円で売り建玉のみ決済(実現益100万円発生)
4,500円の買い建玉10枚は未決済、そのまま来年に持ち越しする場合。
この時、売り建玉の実現益が100万円発生したが、一方、4,500円の買い建玉は決済せずに来年に持ち越ししたと仮定します。
※尚、2016年内のこれまでの実現損益はなしと仮定します。
⇒この場合、売り建玉を処分した際に発生した実現益100万円に対しては申告が必要となり、2016年の課税対象になります。一方、買い玉の含み損300万円(12月30日日中立会終了まで)は2016年内の控除の対象とはならず、翌年以降に買い玉を損切りした場合、その年内での損金としてみなされます。両建ての売り玉を処分した時点において出た実現益に対し、納税しなければなりません。


  • 実際に確定申告をする際は、「商品先物取引に関する調書」で1年間の損益を確認し、そこから経費を差し引いた金額が所得金額となります。商品先物取引の経費は、売買にかかる委託手数料と、有料セミナー受講料や書籍代などその取引に直接要した経費が該当します。
  • 経費の範囲には具体的な定めがないため、実際に申請する際には管轄の税務署などに経費に該当するか否かを確認することをおすすめいたします。
  • 同一商品・同一限月の売りと買い双方の建玉を行った場合(いわゆる両建)、価格変動リスクは固定または限定されることになりますが、売りと買い双方の建玉に手数料がかかるなど経済的合理性に欠ける面もございますので、リスクを十分にご理解頂いた上で、お客様ご自身の判断で行って頂きますようお願い致します。 尚、上記は同一商品・同一限月の両建を行った場合の説明であり、弊社で両建を推奨するものではありません。

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4.会社員でも20万円超の利益で確定申告が必要

次に、いったいどのような方が商品先物取引の確定申告の対象になるのか、以下でご説明いたします。


商品先物取引で確定申告の対象になるのは、以下のような方々です。
以下では、確定申告の必要性が高いと思われる順に4つの対象者例を記載しました。

確定申告の対象となる例

職業 備考
自営業・自由業 商品先物取引での所得に関わらず、38万円を超える所得がある場合
年金生活者
(公的年金等の収入が400万円以下の方)
公的年金等に係る雑所得意外の所得(商品先物取引を含む)で年間20万円超の所得が場合
主婦・学生・家事手伝い
(主婦<配偶者>や学生等の扶養家族の方)
所得(商品先物取引を含む)が38万円を超える場合
会社員
(給与収入が2000万円以下の方)
所得(商品先物取引を含む)が38万円を超える場合
  • ※普段、確定申告になじみが薄い、会社員や主婦、学生、家事手伝いの方、あるいは、公的年金等の収入金額が400万円以下の年金生活者の方は、特にご自身が確定申告の対象者に該当しているかどうか、ご確認ください。

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5.損失を出した場合にも申告が必要?「繰越控除」とは?

さて、ここまでは利益が発生した場合は、確定申告の対象になる可能性があることを説明してきましたが、損失が出てしまった方に関しても、実は損失を確定申告しておくことで将来得する可能性があります。

損失が出てしまった場合に使える制度として知っておきたいものを紹介します。

押さえておきたいのは、ポイントは以下の2つです。

損失を出した場合も利用できる制度

種類 説明
繰越控除 損失を3年間繰り越して、翌年以降利益が出た場合に相殺できる制度
損益通算 異なる金融商品間でも通算できる制度

では、「繰越控除」から見ていきましょう。

これは、損失額を確定申告することで、翌年以降、3年間の間に出た利益と相殺することができる制度です。将来的に課税対象となる金額を抑え、節税することができます。


たとえば、2016年に商品先物取引で100万円の損失が出ているとします。これを今回の確定申告できちんと申告しておくと、もし、2017年に50万円の利益、2018年に30万円の利益、2019年に20万円の利益が出たとしても、それぞれ2016年分の損失と相殺され、2017年、2018年、2019年分の利益はゼロとみなされます。


つまり、このケースだと2016年に申請した損失額の繰越控除を使うことで、向こう3年間は利益が相殺され、課税されずに済むことになります。

繰越控除の例

なお、繰越控除の適用を受けるためには、損失を申告した年以降、毎年、確定申告することが必要です。

たとえば、上の例では2016年に100万円の損失を申告したあと、2017年は50万円の利益が出ていますが、これが2017年は取引を1回もやっていなくて、損益が±0円だったとしても、確定申告はしておかないと、翌年以降に繰越控除が持ち越されなくなってしまうのです。

損失が出ているなら本来であれば確定申告の義務はありませんが、繰越控除という制度があるため、確定申告しておくことで、その翌年以降、利益が出た場合に節税できます。 少々面倒かもしれませんが、損失を出してもしっかりと確定申告をすることをお勧めします。

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6.日経225、FXなど異なる金融商品とも損益通算が可能!

次に「損益通算」について見ていきましょう。損益通算は、異なる金融商品について一定の期間内に出た損益を合算し、トータルで利益となっているか、損失が発生しているかを算出します。

商品先物取引の場合は、日経225先物、FX取引はもちろん、CFDやバイナリーオプション、TOPIX先物などデリバティブ系の他の商品とも損益通算することが可能です。

商品先物取引と損益通算できる主な金融商品

商品名 所得の種類 課税方式 税率
先物など 商品先物(売買損益) 雑所得 申告分離課税 20%
日経225先物(売買損益) 雑所得 申告分離課税 20%
TOPX先物(売買損益) 雑所得 申告分離課税 20%
日経225オプション(売買損益) 雑所得 申告分離課税 20%
外貨関連 店頭FX
(為替差損益・スワップ金利)
雑所得 申告分離課 20%
取引所FX
(為替差損益・スワップ金利)
雑所得 申告分離課 20%
バイナリーオプション
(売買損益)
雑所得 申告分離課 20%
その他 CFD
(売買損益・スワップ金利)
雑所得 申告分離課税 20%
  • ※税率は所得税(15%)と住民税(5%)の合計(20%)です。なお、2013年〜2037年は、所得税にさらに2.1%の復興特別所得税が課されます。

株式や投資信託などとは商品先物取引と損益通算することができませんのでご注意ください。

商品先物取引で損失が出ていた場合、利益が出ている他の商品と損益通算することで納税額が少なくなったり、場合によってはゼロになる可能性もあります。異なる金融商品間での損益通算もしっかりと把握しておきたいところです。

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【纏め】

今年の商品先物取引における売買損益にかかる確定申告の期間は2017年2月16日(木)から3月15日(水)です。上記のポイントをしっかりと押さえて、確定申告を行ってください。弊社では、確定申告用の書類をお取引画面上から出力することができます。また、プリンターをお持ちでない方もご連絡を頂ければ、郵送にて対応致しますので、ご活用ください。


尚、確定申告時における申告方法等の詳細につきましては、管轄の税務署にお伺い頂きますよう、お願いいたします。

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