オプション取引の魅力は何といっても「買い手」の損失が、オプション購入時に支払ったプレミアムのみに限定される点です。思惑通り相場が動いた場合は、期限内であれば、大きな利益の獲得が期待できます。
一方、コールオプション、プットオプションの「売り手」は、オプション取得時に「買い手」から支払われる「プレミアム」が利益の上限になります。オプションの「買い手」は、原市場の価格が自分にとって不利に動いた場合、権利を行使せずに放棄することが出来ますが、コールオプション、プットオプションの「売り手」は、買い手の権利行使に応じる「義務」を負うことになるため、原市場価格が思惑と逆に行った場合、損失は大きくなる可能性があります。
一見、これだけ聞くと、オプション取引は「買い手」が断然有利であり、「売り手」にはあまりメリットがなく、敢えて「売り手」になる方などいないのでは?と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、実際には「買い手」だけが得をして、「売り手」が損をする取引など成立しないでしょう。この「買い手」と「売り手」を公平な立場にしているものが「プレミアム」と呼ばれています。
「プレミアム」とは、買い手が自分に有利な価格に於いては権利行使を行い、不利な価格では権利放棄が出来るのに対して、売り手は相場が思惑と逆に行った場合、一方的にリスクを負うことになるため、そのリスクの見返り(対価)として買い手からプレミアムを受け取ることで、その立場を中立にしています。
コール・プットの買い手が支払うプレミアムと、権利行使を行った場合の利益との関係については、オプション購入時に予想される利益実現の可能性が、高いか低いかによって決まります。
①現在金価格が6,500円の値段を付けているとして、6,400円で買う権利を購入し、現時点で権利を行使した場合、
6,500円(現在値)-6,400円(権利行使価格)=100円
と仮に今の時点で買う権利を行使すれば1g=100円の利益が確定します。
※弊社で取り扱っているオプションは、ヨーロピアン・タイプのため、権利行使日にしか権利行使はできません。
一方、
②同様に現在の金価格が6,500円の時、6,600円で買う権利を購入すれば、金価格が6,600円に値上がりして初めて買値まで来たことになります。そして、利益を出すためには、ここから更に値上りが必要となります。
当然、プレミアムは将来の利益に対する実現の可能性が高いものに対して高くなるのは当然で、②より①のケースに掛かるプレミアムの方が通常高くなります。
但し、ここで考えたいのは、必ずしも①のオプションを買うことが有利かと言えばそうではありません。仮に①のケースで10万円のプレミアム支払い、最終的に権利行使した際、11万円の利益しか出なければ、
110,000円(権利行使した際の利益金)-100,000円(支払ったプレミアム)=10,000円
つまり利益は1万円になります。
※ここでは手数料抜きで計算しております。
一方、②のケースで仮に5,000円のプレミアムを支払い、最終的に金価格が値上がりした為、権利行使をした時に11万円の利益が出ていれば、
110,000円(権利行使した際の利益金)-5,000円(支払ったプレミアム)=105,000円
と①より多い利益を手にすることになります。
※ここでは手数料抜きで計算しております。
競馬に例えるなら、人気の本命馬は当たる確率は比較的高いかもしれませんが、配当はその分低くなってしまいます。一方、人気のない大穴の馬は、当たる確率が低い代わりに、当たった場合の配当は高額になります。
この様に、オプション取引に於いても現時点で権利行使すれば利益が得られる様なオプションは、当然プレミアムも高く、仮に価格が上がっても支払ったプレミアム代金を考えると、結果として、期待していたほどの利益に繋がらない可能性もあります。
一方、現在価格と比べると利益が出にくそうな権利行使価格のオプションでも、プレミアム代金が安いことから、仮に取得後権利行使日まで思惑通りの値動きとなった場合、大きな利益を得る可能性もある訳です。
この様に、オプションの権利行使価格を一つ取ってみても、各々長短所があるので、その時の相場状況や自分のトレード戦略をしっかりと把握したうえで、取り組むことが重要となるでしょう。
オプション取引が歴史上に姿を現したのは、古代ギリシャと伝えられておりますが、記録に残っているのは17世紀中頃のオランダで、チューリップの球根を対象にオプション取引が行われていました。1637年にオランダが経済不況に陥ったのは、チューリップ価格の急騰でコール・オプションを大量に売っていた業者が支払不能となったことが発端だったと伝えられています。
オプション取引には、一定のコストを払えば資産の値上がり、値下がりによる損失を回避できる性質があり、第一の機能は「リスクヘッジ」にあります。コール・オプションは値上がりリスク、プット・オプションは値下がりリスクの回避に使用するケースが多い様です。
日本では、まだオプション取引に対する認知度が低いのも事実ですが、米国で1973年に設立されたシカゴ・オプション取引所(CBOE)のオプション取引量は、現在1日平均で1,500万枚(※)を超えるという活況ぶりとなっております。 ※(2017年4月時点)欧米では現在オプションの最大の取引対象分野は金融取引であり、金利や為替の変動リスクをヘッジするために大量に利用されるなど、現在のグローバル化するマーケットには不可欠な存在と位置付けられています。
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オプション取引とは、①ある商品を②あらかじめ定められた価格で③あらかじめ定められた期日に④売り付けるまたは買い付ける「権利」を売買する取引です。
例えば、オプション取引は、将来の株価や金価格などを特定の値段で売ったり買ったりできる権利を売買する取引です。損失を限定しながら将来の値上がりや値下がりの利益を追求できるほか、複数のオプションを組み合わせることにより、相場が一定の範囲内に留まり、横ばいの状態でも利益を得ることができるなど様々な戦略が可能となります。
また、オプションの「買い手」は権利行使価格で購入する権利を持ちますが、必ず買わなければならない義務ではありません。原資産である株価や金価格などの動きを見ながら、自分に有利な価格の時に限って権利行使を行うことが出来ます。仮に、価格が不利に動いた時は、この購入する権利を放棄することで、損失は「オプション料金=プレミアム(※)」のみに限定することが出来ます。
一方、オプションの「売り手」は、買い手の要求に応じて、権利行使価格で株式や金を売る義務を負うことになります。
※オプションの価値又は価格のことを指します。
⇒ 大阪取引所の金先物オプションは、ヨーロピアン・タイプとなります。
オプション取引において、買う権利を「コールオプション」、売る権利を「プットオプション」と言います。
尚、オプション取引の参加者は、以下のように大別されます。
相場が上昇すると予想した場合、コール・オプションを買うか、プット・オプションを売ります。逆に相場が下落すると予想した場合、プット・オプションを買うか、コール・オプションを売ります。
しかし、一般的には上昇を予想する場合、コールの買い、下落を予想する場合はプットの買いから始められる方が多いです。
また、損失限定の取引を望む場合は、コール・プット共に買いからエントリーすることとなります。
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先物取引の決済方法は、転売・買い戻しによる差金決済、受け渡しによる決済がありますが、オプション取引の場合、以下の3通りの方法があります。
買い手は、権利行使価格で原商品を買う(コール・オプションの場合)または売る (プット・オプションの場合)ことによって、取引を決済します。
権利行使日(ヨーロピアン・タイプ)に、または権利行使日まで(アメリカン・タイプ)に、買い手によって権利行使されなかったオプションは、自動的に失効し、買い手と売り手の権利義務関係(※)は消滅します。
※取引所において成立したオプション取引については、清算機関が取引の相手方となって取引の決済の履行を保証するため、買い手と売り手の権利義務関係は直接的なものではありません。
買い手は転売、売り手は買い戻しを行うことによって、取引を決済します。
オプション取引には主に次のようなメリットがあります。
買い手については、損失は支払ったプレミアムに限定。この場合、思惑が外れても支払ったプレミアム以上の損失は生じません。(※)
少額の資金で大きな利益⇒原商品の価格より少額のプレミアムでその商品の取引と同様の利益をあげることができます。
新しい取引手法の提供⇒オプション取引と原商品(先物取引)を組み合わせたり、複数のオプション取引を組み合わせることにより、多様な取引戦略を組むことができます。
※ご注意:
オプションの売り手は、利益の上限は始めから決まっており、利益の上限と比較して大きな損失を被る可能性があります。
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オプション取引を使うことで、相場状況に応じて、通常の先物取引だけではできない様々な取引が可能です。オプションと先物取引を組み合わせることで、多様な取引が可能となり、リスクを抑えながら利益を追求することも可能です。
※以下の例では、オプション取引のみの場合と先物取引と組み合わせた場合の説明となります。(手数料、税金等は考慮しておりません。)
コール・オプションの買いは、金(標準取引)価格が6,260円を上回れば利益となり、権利行使日に権利行使した場合、238円の利益が発生したことになります。一方で、権利行使日までに権利放棄をした場合、損失が発生しますが、その損失額は最大で110円に限定されます。
コール・オプションの売りは、金(標準取引)価格が6,260円を上回ると損失となり、権利行使日に権利割当義務が発生した場合、238円の損失となります。一方で、権利行使日までに権利割当消滅した場合、利益が発生しますが、その利益額は最大で110円に限定されます。
コール・オプションの買い手は、損益分岐点を基準に先物市場の金価格が上昇していけば、利益はどこまでも大きくなります。一方で、金価格が下落しても、その損失はプレミアムの金額に限定されます。
逆に売り手は、損益分岐点を基準に先物市場の金価格が上昇していけば、損失はどこまでも大きくなります。一方で、金価格が下落しても、その利益はプレミアムの金額に限定されます。
プット・オプションの買いは、金(標準取引)価格が6,283円を下回る利益となり、権利行使日に権利行使した場合、25円の利益が発生したことになります。一方で、権利行使日までに権利放棄をした場合、損失が発生しますが、その損失額は最大で67円に限定されます。
プット・オプションの売りは、金(標準取引)価格が6,283円を下回れば損失となり、権利行使日に権利割当義務が発生した場合、25円の損失となります。一方で、権利行使日までに権利割当消滅した場合、利益が発生しますが、その利益額は67年に限定されます。
プット・オプションの買い手は、損益分岐点を基準に先物市場の金価格が下落するほど、利益は拡大します。一方、原商品価格が上昇しても、その損失はプレミアムの金額に限定されます。
逆に売り手は、損益分岐点を基準に先物市場の金価格が下落していけば、損失はどこまでも大きくなります。一方で、金価格が上昇しても、その利益はプレミアムの金額に限定されます。
金(標準取引)を買い建てた後で、金(標準取引)相場がさらに上昇した場合の収益機会を残しながら、その一方で相場が下落に転じた時に利益を確保しておきたい場合に有効です。ある程度、先物ポジションの含み益を確定してしまおうという戦略です。この先物取引の買いとプットオプションの買いを組み合わせた戦略をプロテクティブ・プットと言います。
6,600円を下回った場合の最低利益を 90円(140円-50円)に限定することができます。
先物取引のみを行う場合に比べると、利益はプレミアムの50円分が少なくなりますが、オプション取引を行わなかった場合、金(標準取引)の価格が6,460円を下回ると、損失が発生していたことになります。
保ち合い圏からのブレイク(離脱)を狙うケースです。 ボラティリティが「短期的」に上昇すると判断する場合に有効な戦略です。
同一限月で異なる権利行使価格のコールの買いとプットの買いを行うことで可能となります。尚、この戦略をロング・ストラングルと言います。
権利行使価格の低いプット・オプションの買いと権利行使価格の高いコール・オプションの買いを組み合わせることで、金(標準取引)価格がいずれかの方向(上昇もしくは下落)に大きく変動した場合に、損失を限定しながら利益を得られるポジションを組成することができます。
金(標準取引)価格が6,290円を下回るか6,610円を上回れば利益となります。
金(標準取引)価格が6,290円から6,610円の範囲内で推移すれば利益を得ることができません。この場合の最大損失は110円に限定されます。
上記でご紹介した取引例の他にも先物取引のポジションとの組み合わせ、オプション取引同士の組み合わせなど様々です。こうした組み合わせで損失を抑えながら、利益を追求するというといったように賢く運用することも可能です。
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取引の対象 | 金先物プット・オプション、金先物コール・オプション |
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帳入値段 | 日中立会の引板合わせの約定値段を帳入値段とし、当該約定値段がない場合は理論値をもって帳入値段とする |
限月 | 新甫発会日の属する月の翌月から起算した12月以内の各偶数月(6限月制) |
新甫発会 | 原商品の新甫発会日の翌営業日(日中立会から) |
取引最終日 | 原商品の当月納会日の前営業日(日中立会まで) |
権利行使日 | 取引最終日の翌営業日(ヨーロピアン・タイプ) |
最終決済方法 | インザ・ザ・マネーについては自動権利行使(差金決済) |
最終清算価格 | 原商品の当月限納会日における日中立会の始値 |
権利行使価格の刻み | 50円 |
オプション銘柄の設定 | 1.当初設定 原商品の直前営業日における帳入値段に最も近接する権利行使価格を中心に、連続して上下に各々20本の隣接する権利行使価格を設定する。 2.追加設定 原商品の当該限月の帳入値段に最も近接する権利行使価格を上回る、または下回る権利行使価格がそれぞれ20本以上になるよう追加設定を行う。 |
権利行使の制限 | アット・ザ・マネー及びアウト・オブ・ザ・マネーのオプションの権利行使はできない。 |
立会時間 | 日中立会:午前8時45分〜午後3時15分 夜間立会:午後4時30分〜翌日午前6時 |
取引単位 | 100g |
呼値とその値段 | 1グラム当たり1円刻み |
CB幅 | DCB幅:40円 SCB幅についてはこちら |
証拠金 | 売り方のみ 金標準取引のPSRのn倍(nの値は市場の動向に応じて、当社が定めるものとします。) |
建玉制限 | 制限を設けない。ただし、取引所が必要と認めた場合には、取引所が必要と認めた建玉数量の制限を設けられます。また、売注文については、当社の定めた枚数とします。 |
権利行使の割当て | 権利行使日の午後5時以降に割当てを実施する。 |
権利行使の割当ての方法 | 売り方の残玉に対してランダムに割り当てる。(取引参加者の中で取引成立の古い順に割当てる。) |
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商品先物取引は委託に際して委託者証拠金の預託が必要となり、最初に預託する委託者証拠金の額は商品により異なります。最低取引単位(1枚)当たり片建証拠金の額は、株式会社日本証券クリアリング機構(JSCC)が算出したVaRパラメータに基づき弊社が定めた額です。商品先物取引の取引金額(商品価格×倍率)に対する委託者証拠金の割合は常に一定ではなく、実際の取引金額は委託者証拠金の十数倍から数十倍(オプション取引を除く)という著しく大きな額になります。
また、委託者証拠金は、その後の相場変動により追加の預託が必要になることがありますので注意が必要です。その額は、商品や相場の変動によって異なります。
商品先物取引は、商品先物市場の価格変動、為替相場や株式市場等が予測に反して推移した場合は、損失が生ずる可能性があり、価格変動の幅が小さくても総取引金額では大きな額の変動となる為、その変動の幅によっては損失が預託した証拠金を上回るおそれがあります。
商品先物取引の委託には委託手数料がかかります。その額は商品によって異なり、プレミアムオンライン取引においては最低取引単位(1枚)当たり片道最高1,980円(税込)セルフコースにおいては345円(税込)です。
弊社の企業情報につきましては、弊社店頭・ホームページ及び日本証券業協会、日本商品先物取引協会ホームページにて開示を行っております。
北辰物産株式会社
本社所在地 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町1-9-2
TEL 03-3668-8111(大代表)
関東財務局長(金商)第3184号、農林水産省指令4新食第2087号、経済産業省20221128商第9号
日本証券業協会、日本商品先物取引協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、日本商品先物振興協会、日本商品委託者保護基金、日本証券クリアリング機構
窓口 | 北辰物産お客様相談窓口 本社管理部 |
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所在地 | 東京都中央区日本橋茅場町1-9-2 |
受付時間 | 月~金曜日8:30~17:30 |
フリーダイヤル | 0120-102-177 |
所在地 | 東京都中央区日本橋茅場町2-1-1 第二証券会館 |
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受付時間 | 月~金曜日(祝日、12/31~1/3を除く) 9:00~17:00 |
TEL | 0120-64-5005 |
URL | https://www.finmac.or.jp/ |
所在地 | 東京都中央区日本橋人形町1‐1‐11 日庄ビル6階 |
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受付時間 | 月~金曜日(祝日を除く)9:00~17:00 |
TEL | 03-3664-6243 |
URL | http://www.nisshokyo.or.jp/ |