〜2018年6月8日更新〜

5月売買高が前月から4割超増加!投機人気の高まりから更なる上昇に期待!!

原油市場にも熱い季節が訪れようとしております。
東京商品取引所が公表したプラッツドバイ原油の5月月間売買高は、974,014枚と4月に比べて約41.7%増加。主力の金標準取引や白金標準取引が4月から減少する中、前月から大幅に売買高を伸ばし活況を見せております。

プラッツドバイ原油売買高推移

 
東京商品取引所 2017年12月 2018年1月 2018年2月 2018年3月 2018年4月 2018年5月
プラッツドバイ原油
売買高
740,946枚 646,918枚 701,378枚 628,720枚 687,232枚 974,014枚

一般的に見て売買高は、対象銘柄の人気度を測る目安となります。当然、売買高が増加するという事はそれだけ注目されて人気が高まっている状態であり、その結果として売買高が膨らむ事に繋がる訳ですが、先ずは現在の原油相場の人気の秘密を探ってみましょう。

米国産標準油種WTI原油価格は、2018年5月7日に2014年11月以来となる1バレル=70ドル台を回復し、5月22日には同72.83ドルまで上昇しました。

WTI日足チャート

さすがに70ドルを超える水準では、短期的な高値警戒感から売りが優勢となり、買い一巡後は上昇一服となっておりますが、昨年夏場以降継続している強気の流れは未だ衰えていない様です。

一方、プラッツドバイ原油の日足チャートを見ると、今年の3月以降、WTI原油以上に鋭角に上昇している事が分かります。これは同時期に外為市場で円安・ドル高が進行した為、海外原油高プラス円安の恩恵を受けて上昇が加速し、2015年6月以来となる1kl=5万円の大台を回復致しました。

プラッツドバイ原油日足チャート

5月中旬以降、海外原油価格の下落を受けて調整局面入りとなっておりますが、こちらも今の所下値は限定的で、調整一巡後は5万円台回復への期待感も根強い様です。

それでは、これまでの上昇の背景を探って行きましょう。

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OPECと非OPECとの協調減産体制の維持

2011年〜2014年半ばまでは、1バレル=100ドル超の値段を付ける事も珍しくなかったWTI原油価格が、2014年7月以降、中期的な下降トレンド入りとなり、2016年2月には同26.05ドルまで下落しました。そして、その後2年以上に渡り反発力を強めている背景には、やはりOPECの政策による影響が強い様です。

2014年7月以降の下落時に於いては、米国のシェールオイルの増産に対抗する為、価格下落にも拘わらず減産実施など市場へ明確なメッセージを送らなかった事が失望され、26ドル近辺への下落に繋がったと考えられます。

WTI月足チャート

一方、2016年2月に底値を付けてから現在までの上昇については、主にOPECと非OPECのロシアを中心とした強固な協調減産の実施があげられます。また、協調減産実施後もOPEC加盟国の減産順守率が高く、5月も順守率は163%と加盟国の足並みがこれまで以上に揃っている事が市場に評価され、中期的な上昇へと繋がった様です。

しかし、現在の価格上昇やイランやベネズエラの供給減少不安などから、現行の協調減産体制を見直し、減産縮小に踏み切るとの報道が飛び込んだ事が、5月中旬以降の下落のきっかけとなりました。

OPEC総会で主要産油国は協調減産縮小に動くのか?

鍵を握るのはやはり6月22日に開催されるOPEC総会。

OPEC総会での焦点は、2018年末に期限を迎える協調減産が見直されるのか継続されるのか。また、継続された場合でも、現行の生産枠が維持されるのか緩和されるかが重要なポイントになりそうです。

市場では、仮にOPECが減産縮小を決定した場合、日量50万バレル〜100万バレル程度産油量が引き上げられるとの見方が多い様ですが、減産縮小の有無も含めて想定されるシナリオを探って見たいと思います。

6月OPEC総会で想定されるシナリオ

 
減産縮小の可否 産油国の対応 見通し
減産縮小見送り 現在の減産体制維持 原油価格は急反発。WTI原油は再び1バレル=70ドル台回復の可能性。(強材料)
減産縮小 減産縮小決定 即時実施 増産量にもよるが相場は下落。WTI原油は1バレル=60ドル割れも視野に。
(弱材料)
即時実施分と今後の
減産縮小分に分けて実施
減産縮小決定のインパクトから一旦下落予想も、市場への影響が軽微に止まる可能性があり、材料消化後は買い戻しに反発期待。(中立からやや強材料)
今後の市況や価格動向を
確認したうえで実施
柔軟な対応姿勢については中立材料。ただ、原油価格への配慮が読み取れるため、材料消化後は緩やかに反発の可能性。 (やや強材料)

この様に、OPECが6月22日に示す方針によって、短中期的な原油相場の方向性が決まる可能性が高く、現時点ではOPEC総会の結果の見極めが必要です。

しかし、産油国としても価格の中期低迷を招く様な施策実施は避けたい事から、大規模で即時実施される程の減産縮小は見送られる公算が高く、仮に減産縮小を決定しても、市場への影響を軽微に止める施策を取る可能性が考えられます。

主要生産国の価格安定維持に対する強い姿勢は、今年2月に1バレル=60ドルの大台を割り込んだ際に、サウジアラビアのエネルギー相などが、原油価格下支えの為に再三口先介入を行った所からも読み取る事が出来ます。

産油国にとって原油価格の高値安定は共通の課題であるため、現在もこの強い姿勢に変化はなく、原油価格が想定以上に下落した場合は、主要産油国が協調して素早く減産へとかじ取りを切る可能性が高く、この価格安定化に向けたOPECと非OPECとの協調体制が、目先大きく崩れる事はないと考えられます。

トランプ大統領の政策

トランプ大統領は、昨年12月に大統領選で公約に掲げていた約30年ぶりの大型法人減税の成立にこぎ着けました。また、今年の一般教書演説では、1兆5000億ドル(約163兆円)以上に上るインフラ投資への関連法案作りを提唱しております。

インフライメージ図

今年は、米国の中間選挙の年であり、共和党の上下両院での過半数維持に向けての議席獲得の為に、中間選挙前にトランプ政権が積極的な政策を実施する可能性がありそうです。

実現すれば経済成長を後押しする他、原油をはじめ非鉄金属や建材など工業品系、素材関連の商品価格全体の上昇に繋がる可能性が高く、インフレ懸念が高まる可能性があります。更に、実需筋の買いに加え投資ファンドなど投機資金の流入も見込まれる為、スケールの大きな大相場へと発展する可能性があり、マーケットの期待を集めております。


実際、昨年から巨額インフラ投資への期待感だけで、銅やアルミニウム、亜鉛などが値上がりし、数年ぶりの高値を付けております。仮に、1兆5000億ドル規模のインフラ投資が具現化した場合、原油相場にとってはこの上ない強材料となるため、中間選挙前のトランプ政権の政策動向からも目が離せません。

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中東情勢など地政学リスクの高まり

トランプ米大統領は5月8日、イランと主要6カ国による核合意から米国の離脱を決定しました。

中東諸国に対する攻撃的な介入と過去の核開発に関する虚偽報告を理由に、イラン核合意締結国の英国、ドイツ、フランスの説得にも拘わらず、米国は離脱しました。

産油国ランキング

イランのロウハニ大統領は、現時点では核合意にとどまる意向であるものの、米国の制裁復活でイラン経済へのメリットが失われれば再考する意向も表明しており、2015年に中東情勢が緊迫する中、武力行使に頼らず多国間協議で達成した核合意は消滅の危機に直面していると懸念されております。

また、イランが欧州連合(EU)の全加盟国と核合意を継続しても、欧州諸国は欧州企業に対する米国の制裁再開を阻止できないのではないかという不安が高まっております。米国が制裁を再開した場合は、イラン産原油の輸出に対して制裁を加えるため、輸出に係る欧州企業にも制裁を加える可能性があるためです。そうなるとイランの原油輸出が大打撃を受けると同時に、イランからの原油供給が大幅に落ち込み、需給ひっ迫懸念が生じてくる可能性があります。

更に、イランが米国の制裁再開によって経済メリット喪失を嫌気して核開発を強化した場合は、中東地域で覇権争いをしているイランとイスラエル、サウジアラビアの3国の中で、唯一核を保有していないサウジアラビアが不満を募らせ、サウジアラビアも核開発を始めた場合、核開発競争が激化して中東地域の地政学リスクが一段と高まる懸念もあります。事実、サウジアラビアのムハンマド皇太子は、敵対するイランが核兵器を開発した場合、「サウジもすぐに後を追う」と述べ、中東各地で覇権を争うイランに対抗するための核武装に言及しているのです。

イランが核合意を継続しても、核開発強化へ進んでも、原油市場における懸念材料は消えないのかも知れません。

原油「1バレル=100ドル時代」再来の可能性も

このように、原油相場が反転、上昇に転じた要因として、OPEC加盟・非加盟国による減産を背景とした石油需給の改善に加え、米国の巨額インフラ投資に対する需要増加への期待、イランを中心とした中東産油国における地政学リスクの高まり等が挙げられます。

その一方で、原油価格の上昇がシェールオイルの増産拡大を喚起し、需給は緩和に向かうのではないかとの見方もありましたが、結果としては需給緩和により価格が下落することはなく、OPECや国際エネルギー機関(IEA)による2018年後半の見通しでは、世界経済の拡大に伴い更なる石油需要の拡大が示されております。

世界石油需給推移

また、OPEC加盟国の盟主であるサウジアラビアは、現在の価格維持の為に2019年以降もOPEC非加盟国との産油量の調整についての新たな枠組みの構築を模索していることから、需給面に加えてこうした政治的な動きや、中東産油国を絡めた地政学的リスクが重なった場合、再び、原油相場に「1バレル=100ドル時代」が訪れるかもしれません。

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D-stationで始める原油先物取引

商品市場の主力銘柄として投資家に選好される「原油先物取引」
原油先物取引とは1枚(原油50キロリットル単位)から始められるお取引です。お取引に必要な証拠金(プライス・スキャンレンジ)は1枚あたり95,000円(2018年5月1日現在)となります。

プラッツドバイ原油における損益計算例(損益計算:損益幅×取引倍率×売買枚数−往復手数料)

取引例:43,000円のプラッツドバイ原油を1枚買った場合

原油取引における損益計算例(損益計算:損益幅×取引倍率×売買枚数−往復手数料)

  • 思惑通り1000円値上がりした場合。 売値 買値  倍率 枚数 手数料(税込)
    (41,000−40,000)×50×1−692円
    =49,308円(通常手数料時)
    95,000円の証拠金で49,308円の利益がでます。
  • 思惑が外れて1000円値下がりした場合。 売値  買値  倍率 枚数 手数料(税込)
    (39,000−40,000)×50×1−692円
    =−50,692円(通常手数料時)
    95,000円の証拠金で50,692円の損失がでます。

※証拠金、手数料は2018年5月1日現在のものです。
また、手数料は税込手数料となります。
これらの説明はお取引での利益を保証するものではありません。

  

原油価格の変動要因

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プラッツドバイ原油とWTI原油の価格推移

ヒストリカルチャート長期

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