〜2018年5月22日更新〜

2016年の夏に大底をつけ、その後、長期上昇トレンド入りとなったトウモロコシ相場。
当特集ページでも2016年7月に取り上げ、結果として大底圏での推奨となった!
今後のトウモロコシ相場はどうなるのか?

トウモロコシ相場 本格的な天候相場期到来!!


5年連続の豊作にも拘わらず、シカゴコーン相場は安値から反転上昇へ!

5年連続の豊作を受けて、概ね1ブッシェル=300セントから400セントの低位で約4年に渡り安定推移を続けていたトウモロコシ相場に、昨年末から変化の兆しが見られます。

こちらは世界のトウモロコシの指標価格となる、シカゴコーン相場の日足チャートです。
シカゴコーン日足チャート

世界最大のトウモロコシの生産国である米国では、2017年度も豊作が実現しており供給は潤沢で、シカゴコーンは生産量のほぼ確定する2017年8月31日には、1ブッシェル=328.50セントまで下落しておりました。その後も軟調な動きが続き、同年11月29日には1ブッシェル=335.50セントの安値を付けておりましたが、その後上昇に転じ、2018年5月には1ブッシェル=400セントを回復するなど騰勢を強めております。5年連続の豊作にも拘わらず、何故上昇しているのか?

昨年末以降、上昇に転じた背景を探ってみましょう。

鍵を握るトランプ政権のエネルギー政策

米国では2005年にエネルギー政策法が成立し、これにより再生可能燃料基準(RFS)が設定され、米国内で販売されるガソリンに対して、バイオ燃料の使用が義務付けられました。この動きを受けて米国のとうもろこしのエタノール向け需要は、総需要の約4 割を占めるまで増加してきました。

米トウモロコシ需給推移

トランプ大統領は化石燃料重視の政策を考えており、再生可能エネルギーは軽視しているとの一部報道もある様ですが、実際の所、再生可能エネルギーに対して特段ネガティブな政策を講じている訳ではなく、むしろ再生可能エネルギーは拡大の趨勢にあります。

そんな中、5月10日の米農務省需給報告で、2018〜19年のトウモロコシのエタノール需要が、前年度の55億7500万ブッシェルから5,000万ブッシェル程度増加するとの予測が示され注目を集めております。

エタノール

これは、トランプ大統領がガソリンにエタノールを15%混合した燃料「E15」について、夏場の販売規制を緩和し、国内での通年販売を容認する方針を示した事が要因になっている様です。更に、トウモロコシ由来のバイオエタノールを使った合成燃料「ETBE」の日本向け輸出が可能になった事も影響しているようです。

元々トランプ大統領は2016年の大統領選の時に、農業団体の支持を得る為、バイオ燃料の使用義務制度の支持を訴えてきました。米国は今年中間選挙が行われます。この中間選挙で票を獲得するには、農業団体の支援が必要不可欠である事から、今後もバイオエネルギー政策を推進していく可能性は高いと言えるのではないでしょうか。

近年、増加の著しいトウモロコシのエタノール需要。今後のトウモロコシの国際価格を占ううえでは、トランプ政権のエネルギー政策や、エタノールを巡る需要動向に一層注目が集まりそうです。

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中国の旺盛な需要

中国は世界第2位のトウモロコシ生産国ですが、経済発展に伴い畜産需要が飛躍的に伸びており、自国の生産で賄いきれない部分は、米国をはじめ他の生産国からの輸入で埋める形になるので、トウモロコシの国際価格の動向を探る上では、中国の需要にも注意が必要となります。

減速が伝えられる中国経済ですが、経済成長を推し量るうえで重要な指標であるGDP(国内総生産)は、直近の3四半期連続で前年同期比6.8%と、減速に歯止めが掛かりつつある事が示されております。 2000年代初頭の成長スピードには及ばないまでも、約14億人もの人口を抱える国だけに経済が持ち直しを見せた場合、穀物市場へのインパクトは計り知れないものになりそうです。

注目される米中通商問題の行方
市場の大きな話題となった米国と中国の貿易摩擦の問題は、米中関係が悪化すれば米国産トウモロコシの対中輸出が減少し、シカゴコーンの弱材料になると考えられておりました。しかし、5月17日、18日に開かれた米中貿易協議では、両国が関税引き上げなどを棚上げすることになり、本格的な貿易戦争は当面回避される見通しとなりました。また、中国側が天然資源や農産物などの輸入拡大により対米貿易黒字を圧縮する案を示した為、今後、中国向けのトウモロコシ輸出が再び増加してくれば、シカゴコーンの大きな強材料になると考えられます。

中国のトウモロコシ輸出入推移

中国の自国消費量推移


米国の堅調な輸出需要

米国は世界最大のトウモロコシの生産国にして輸出国でもあります。この為、仮に米国の生産量が増加し供給が潤沢であったとしても、世界的に米国産トウモロコシに対する引き合いが強く輸出が増加した場合、米国内の在庫を取り崩す事となり需給はタイト化へと向かいます。

世界生産シェア

世界輸出シェア

特に前述した中国は、引き続き国内消費量が増加の一途を辿っており、慢性的に需要が供給を上回る状況が続いております。この為、昨年の秋口以降も不足分を米国市場などから調達しており、これが米国の在庫減少に繋がっていると考えられます。

2018〜19年度産米トウモロコシの期末在庫の減少予測


作付面積の減少
2017〜18年度の米国産トウモロコシの作付面積は約9020万エーカー。過去5年間の作付面積の平均は約9164万エーカーでした。

当然、作付面積によってその年の生産量をある程度予測する事が出来るので、毎年3月末に米農務省が発表する当年度産の作付け意向面積は非常に重要な指標となります。

今年の3月30日に発表された2018〜19年度のトウモロコシ作付意向面積は、ロイター通信社がまとめた市場予想平均の8942万エーカーを下回り、前年比約220万エーカー減の8800万エーカーと予測されました。これは、過去5年間の平均を大きく下回っており、2015〜16年以来の低水準となります。

米作付面積推移

期末在庫の減少
米農務省は、5月10日の農産物需給報告で2018〜19年度の需給予測を初めて明らかにしました。生産高を140億4000万ブッシェルとし、期初在庫を加えた総供給は前年比6億7500万ブッシェル減の162億7200万ブッシェルと予測。需要面はエタノールなどが前年を上回る一方、飼料や輸出が減少したため、総消費は145億9000万ブッシェルで減少予測となりました。

需要サイドより供給サイドの減少幅が大きく、期末在庫は前年から5億ブッシェル減少する見通しとなりました。

また、世界全体のトウモロコシの期末在庫を見ても1億5915万トンと、ロイター通信社がまとめた市場予想の1億8635万トンを下回る内容となりました。強い消費が続き在庫が減少すると見込まれており、これが実現すれば2012〜13年度以来6年ぶりの低水準となります。

米期末在庫推移

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トウモロコシの天候相場とは?


トウモロコシの年間生育サイクル


天候次第では大相場へ発展の可能性も!?

シカゴコーンの値動きを見てみると、米国の生産地帯が干ばつに見舞われた2012年に史上最高値となる1ブッシェル=843.75セントを付けました。しかし、その後5年に渡り米国産トウモロコシが空前の豊作に見舞われた事で安定した供給が図られ、シカゴコーン価格は低位で比較的落ち着いた値動きが続いておりました。
その一方で、世界的な人口増加などによる飼料需要の増加に加え、米国のエネルギー政策によるエタノール需要の増加が、米国の潤沢な在庫を食いつぶし、需給をタイト化へと導いております。


シカゴコーン月足チャート


米国産トウモロコシは、作付け終了後は本格的な天候相場期へと移行します。特に7月初旬からは生育にとって最も重要な受粉期を迎え、この時期の天候次第で今年度の生産量がある程度決定付けられます。


短期的には高値警戒感も、未だここ近年での安値水準!!

前述した通り、期末在庫が減少するなど需給がタイト化している中で、今年の作付面積は2015〜16年以来の低水準になると予測されております。勿論、本年度の天候も良好で生育が順調に進み、6年連続の豊作が実現した場合、シカゴコーンは引き続き低位での安定した値動きが続く可能性があります。しかし、生育に最も重要な受粉期に高温干ばつなど天候異変に見舞われた場合、これまでより一層需給が引き締まり想定以上の値動きとなり、数年ぶりの大相場へと発展する可能性も秘めております。


東京トウモロコシ月足チャート


シカゴコーン、東京トウモロコシ共に、日足チャートで見ると既に高値水準にあると感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、月足チャートで見た場合、未だここ近年の安値水準に位置しており、原油など他国際商品と比べると出遅れ感が強い事から、この後の天候相場次第ではファンドの資金が流入し、シカゴコーンは1ブッシェル=600セント、東京トウモロコシは1t=30,000円超えの上昇も現実味を帯びて来るのではないでしょうか。


  

ヒストリカルチャート

  

トウモロコシ価格の変動要因

※ご注意:本内容については将来の見通しの的確性、あるいは収益性を保証するものではありません。また、本内容により生じたいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。


シカゴ価格を東京の価格への換算方法

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