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2017年 需給相場から天候相場への移行で大相場の可能性も!!

米新政権のエネルギー政策が鍵を握るか!?

4年連続の豊作にも拘わらず、シカゴコーン相場は安値から反転!

4年連続の豊作がほぼ確定した米国産トウモロコシ。12月9日に発表された米農務省需給報告では、2016〜2017年度の米国産トウモロコシは、生産高は152億2600万ブッシェル、総消費量146億1000万ブッシェル、期末在庫が24億400万ブッシェル、期末在庫率は16.4%といずれも前月予測と同水準に据え置かれました。

一方、世界全体での需給を見ると、ブラジルの増産が主因となり、生産量予測が10億3973万トンと、前月から920万トンもの引き上げとなりました。需要が前月予測から469万トン増の10億2643万トンの修正にとどまった為、期末在庫量は前月比406万トン増の2億2225万トンとなり、期末在庫率も21.65%と前月の21.35%上方修正されました。この結果、米国は勿論、全世界的に見ても、供給は潤沢で需給が緩和している事が示されています。

米農務省需給報告01

米農務省需給報告02

通常であれば、供給過剰感から世界的にコーン価格が低迷してもおかしくない状況ですが、世界的な穀物の指標となる、CBTコーン相場を見ると、期近ベースで2016年8月31日に1ブッシェル=301.00セントの安値を付けた後、同12/13には364.75セントと緩やかながら水準を切り上げて来ています。

シカゴコーン日足チャート

この背景には、天候相場期に弱材料を織り込んで下落した事で「知ったらしまい」、弱材料出尽くしにより、一旦利益を確定しようと、売り方ファンドなどの手じまいの買い戻しが入った形跡が伺えます。

一方で、現在米コーン価格に比べて大豆価格が割高となっている事で、農家が2017年度の作付けを、トウモロコシから大豆にシフトするとの見方が支援材料となっています。12月22日までにイリノイ大学のまとめた2017〜18年度の米国産農産物の需給予測によると、2017年度の作付け面積は、前年度の9450万エーカーから9100万エーカーに減少するとの見通しを示しており、その他、米穀物調査会社などでも、総じて2017年度の米トウモロコシの作付け面積は減少するとの見方が大勢を占めています。

また、通常輸出の減少する10月から12月にかけて、今年は世界的に米国産トウモロコシの引き合いが強まっています。中でも中国は、例年11月後半から12月にかけては、米国産から南米産に輸入がシフトする傾向にありますが、今年は依然として米国産を購入し続けており、堅調な輸出需要がシカゴコーンの下値を支えています。

輸出検証高のデータ
輸出検証高とは

外部要因の好転もシカゴコーンの上昇の支援材料になっています。OPEC加盟国は、2016年9月28日の非公式会合を開催し、低迷する原油価格を下支えする為、減産に合意。更に同11月30日に開催されたOPEC総会で、正式に減産を決定しました。また、OPECのこの決定に、ロシアなど非OPEC加盟国が生産量の削減に協調することを表明した事で、NY原油価格は同12月12日には、1バレル=54.51ドルと約1年半ぶりの水準に上昇。11月中旬以降23%もの上昇となりました。

原油価格の上昇に連れて、穀物由来のバイオ燃料エタノール価格が上昇した事が、エタノールの原料となるシカゴコーン価格の支援材料となっています。

NY原油・シカゴエタノール日足チャート

更に、米次期大統領にトランプ氏の就任がほぼ決定した後、トランプ効果により世界的に株高が進行。大規模な景気刺激策や公共事業投資への期待感から、非鉄、銅やゴムなどの素材関連商品が上昇。また、大量の国債発行の思惑から米長期金利が上昇するなど、インフレ懸念が強まった事も、国際商品のシカゴコーンにとっては追い風になっています。

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トランプ効果による円安が東京コーンの上値を押し上げる!?

国内に目を向けると、トランプノミクスへの期待感から、主要通貨に対してドルが買われており、対円でも極端な円安・ドル高が進行している事が、東京コーンの強材料となっています。

一方、シカゴコーンは、12月初旬に上昇したあとはドル高が嫌気され上値の重い展開が続いていますが、前述の要因から値崩れには至っていない為、円安進行分がそのまま上昇に繋がっており、2016年11月16日の安値19,250円から、同12月16日高値22,090円まで2,820円、約14.6%もの上昇を演じております。

東京コーン、為替日足チャート

今後の動きにおいても、短期的にはトランプ次期大統領の政策への失望感が広がらない限り、スピード調整の円高・ドル安の動きはあっても、基本的にドル高基調が続くとの見方が強く、東京コーンもシカゴコーンに極端な崩れがなければ、円安を材料に一段の上昇に期待が持てそうです。

トランプ次期大統領の政策は、コーン価格を押し上げるか?

トランプ次期大統領は選挙期間中、ガソリンなどに一定量のバイオ燃料混合を義務付ける再生可能燃料基準(RFS)への強い支持を繰り返し表明しており、大統領就任後に政策としてさらに推進していくことに期待が持たれています。

この政策が実行された場合、ブッシュ政権時に「米包括エネルギー法」として、アメリカ国内全体でのエタノール使用量を6年間で2倍にするとの政策を提起した、2005年から2008年にかけての様な大相場の再来も現実味を帯びてきそうです。

シカゴコーン月間足チャート

一方で、トランプ次期大統領が、バイオ燃料制度をめぐる議論を批判したとみられる文書が公表されており、現時点では新大統領のエネルギー政策は不透明感を強めています。

また、新政権の人事面でも環境保護局長官に規制消極派でオクラホマ州司法長官のスコット・プルイット氏を充て、国務長官には米石油メジャー、エクソンモービルCEOのレックス・ティラーソン氏を起用するなど、現時点ではバイオ燃料よりも石油業界寄りとの意見も多く、仮に、バイオ燃料普及に否定的な政策を展開すれば、先行きのバイオ燃料、ひいては穀物農家が打撃を受けることが考えられ、その場合、失望感からシカゴコーン相場が、再び弱気転換してしまう可能性も否定できません。

しかし、バイオ産業の衰退は、トランプ新政権にとって支持率低下に繋がる事から、根本から既存の規制撤廃は難しいと想定され、現時点では極端に偏った政策はとらないのではないかと考えられます。

この様に、次期米大統領のエネルギー政策に関しては、実際にふたを開けてみなければ判らない部分もありますが、現時点では同政策に対する下落リスクよりも、前者の政策を推し進めた場合に起こり得る上昇への期待感から買われている側面もありそうです。

インフレ懸念の拡大、天候異変が起きれば大相場への期待も!?

世界的な供給過剰状態にも拘わらず、年後半に底堅い動きをみせたトウモロコシ市場。12月中旬以降は、内外ともに上昇一服となっており、この調整の流れは2017年1月前半まで続く可能性も考えられます。

2017年度の天候相場を予測するにはまだ早いかもしれませんが、10月以降上昇に転じてきているとはいえ、月間足チャートで見ると、未だここ近年の安値水準に位置しており、他の国際商品から見ても割安になっています。

東京コーン月間足チャート

新政権発足後もトランプ効果が続き、非鉄、銅などを中心に商品市況全体が底上げし、インフレ懸念が巻き起こった場合、出遅れ感の強いシカゴコーンに投機資金が流入する事が予想されます。

仮に前述の予測通り、2017年度の米トウモロコシの作付け面積が減少し、更に天候相場期に天候異変で不作となった場合、2011年や2012年級の大相場への発展も夢ではなく、シカゴコーンは500セントへ、東京コーンもまずは3万円の大台を目指す展開にも期待が持てるのではないでしょうか。

※ご注意:本内容については将来の見通しの的確性、あるいは収益性を保証するものではありません。また、本内容により生じたいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。

トウモロコシ価格の変動要因


シカゴ価格を東京の価格への換算方法

  
  

ヒストリカルチャート

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