波動展望の基本姿勢

相場に取り組む

波動展望は、投資家の皆様を応援いたします。

24時間、365日、世界中を為替は駆け巡り、世界情勢不安を背景に金相場は急騰急落を演じ、原油相場も目まぐるしい限りです。
しかし、リスクにこそチャンスがあり、リスクテイカーにこそ、投機のチャンスがあります。

もちろん、商品先物取引はハイレバレッジな証拠金取引ですから、相場が曲がれば投資資金以上に損をすることもあります。お金に余裕があって、先物取引へのチャレンジ精神があって、仕組みをよくよく理解した上で取り組むべきものです。

波動展望は、商品先物取引の仕組みを理解し、先物取引にチャレンジしている投資家の皆様に、 少しでもお役に立てるマーケット情報分析を提供しようと、日々努力しています。

相場のリズムを分析する

あらゆる相場には底打ちの周期性、天井の周期性、相場自身のリズムがあるように思われます。サイクル分析とは、このような相場のリズムを分析し、相場のリズムの中で、今が底値形成局面なのか、天井形成局面なのか、 日柄的な限界点に達していないかを見てゆくスタンスを意味します。
もちろん、相場が数学的正確さで毎度毎度、規則的に底をつけるなら、百戦百勝でしょうが、 現実はそうではありません。相場の周期性を歪ませるもの、それは相場に対する市場参加者の過剰な心理的反応、 投機行動そのものです。しかし、よくよく考えてみると、しょっちゅう歪んでいるとはいえ、そこにはやはりリズムがあるのです。

最近では、よくケーブルテレビの株番組などで、日経平均の底打ちが何日、今度は何日、、、などとやり始めていますが、先物マーケットではそれこそ昔から、日柄と言うものを重視してきました。そのような見方を意識する人々が増えれば増えるほど、日柄注意日、変化日における市場のテンションは上がり、分析通りの結果となる可能性も拡大します。実によきことと思っております。

波動展望はまず、底打ちサイクル分析を、月足レベルの長期サイクル、週足レベルの中期中勢サイクル、日足レベルの短期サイクルというように段階的に分類し、それぞれが調和的に推移しているところを見つけ、その時々で、信頼するに足りるリズムについての見解を提起いたします。

相場の値幅を分析する

良く聞く、半値八掛け、下げ幅の倍返し、二倍値、黄金分割、、、相場の上値目標、下値目標はいくら、ということをアナリストは計算します。
相場のチャートを見ていると、これはずいぶんと幾何学的な動き、姿をしていると言う印象を持ちます。もちろん、ドンピシャの二倍値、倍返しで相場が天井をつけるとは限りませんが、これも日柄同様、市場参加者がそのような問題意識を意識すれはするほど、現実もそのようになるものです。

ただ、肝心なのは、上値目標の計算式は、その時々に幾通りも存在し、消極的な上値目標、積極的な上値目標、途方もない上値目標が出てきます。それはその時々の、計算する人の心理状態(強気に過ぎるのか内心弱気なのか)に依存するものです。
波動展望では、幾通りかの目標値を計算していますが、常に心がけているのは、逆の立場、もし、いまが天井近辺と考えて売り上がっている人にとって、最大級のリスクとしてどの程度までの上値目標=最悪の結果を考えておくべきか、ということです。

相場の土台を分析する

波動展望は、創刊以来、徹底したテクニカル分析を掲げていますが、相場の土台=ファンダメンタルズを無視するものではなく、むしろ重視しています。ファンダメンタルズに係わる各種データは、土台として把握していないと、相場を語れないだけではなく、思わぬ落とし穴に落ち込みます。
もちろん、穀物相場の農務省需給統計や米原油在庫統計等、その都度過敏に反応する決定的な数字もありますが、その都度反応はしないものの、じっくりと相場の根底に居座るようなデータもあります。波動展望では、できるだけ、データファイルを皆様にご提供いたします。

テクニカル分析

北辰商品(注・平成19年4月にグループ会社の北辰物産株式会社へ事業譲渡)は昭和63年に、当時としては画期的だったスーパーミニコンをホストとした「北辰情報分析システム」を構築しました。最初は2400kbの公衆モデム通信で、全店にネットワークを張り巡らせました。今はクラサバなりなんなり、格安のシステムを構築できますし、取引所や各種ベンダーからリアルタイムでデータも取り込めますが、昔は手打ちもやりました。
開発当時、私が特にこだわったのはとにかくテクニカル分析手法を網羅することでした。数え方によっては100種類を超えるまでのテクニカルチャートを装備しましたが、今では復刻版も出ていますが当時は絶版になっていた一目山人の「週間均衡表」等も、週間仲値、九週寄引までチャート化しました。対等数値や基本数値までチャートに表示する懲りようでした。ボリンジャーバンドが米国の業界誌に登場したあと直ぐ、BW指数までついたものとしてチャート化しました。多分、当社のシステムに乗ったのが、日本初だったと思います。
でも、色々集めて色々やって、結論的に今、私が使っているのは、サイクル分析と値幅分析、一目流対等数値。逆張り系オシレータは各種ありますが、銘柄毎、その年々に、一番合う(波長が合っている)ものを、ストキャスティクスとRSIとRCIから、時には乖離率から選んでいます。
順張り系では移動平均(これも基本数値移動平均で9,26,52)、一目の基準線と先行スパンが好きです。

究極的には相場の予想ではなく、予測、何月何日にいくらで天井をつけるとか、計算したものを公表するのも楽しいのですが、大体、経験でいうと、3ヶ月くらい、有頂天になるほど相場見通しが当たり始めて図に乗ると、突然裏切られます。だから、予測はあくまでも予測であって、展開を予想し、それにあわせてあるいはそれが外れたときのリスクを念頭に入れて、相場のリズムに乗り、うまく行けそうなときだけ、仕掛けるのがベストだと考えております。相場は年がら年中、来年も10年後もやっています。一発勝負のばくちではありません。3連敗してもその後の2連勝で勝てばよいのです。
(そんなこと冷静に言っても、実際にやるとテンション上がってしまって冷静さを維持するのは至難の業でしょうが)

マーケットのトラウマ

例えば金相場、大きな天井は不思議と2月。何月何日に天井をつけたとかを相場のアニバーサリー=記念日と言いますが、記念日というよりも、これはトラウマです。去年、2月5日に天井をつけたとき、自分はすっ天井を買って失敗したとかその逆、これが市場参加者,新たに参加したものを含め、チャートに書き記された刻印、トラウマとなって市場を支配します。特にでかい天井、鋭角的な天井は、日足、週足等、毎日のように見ているチャートに出てきますから、忘れようにも忘れられません。

波動展望では、折に触れて、天井サイクル分析をするときには特に、アニバーサリーへの注意喚起を行います。

一貫性と君子豹変

相場を分析し、それを情報誌として発行する上で重要なのは、分析スタイルの一貫性です。毎回、都合の良い解釈ばかりしていてはどうにもなりませんし、毎回言っていることが違っては、そんなのはアナリストではありません。
しかし、それは自らの相場観に逆規定されて、曲がりやよろしく永遠に売りを唱えたり、永遠の買い下がりを主張し、相場こそが間違っているのだ、などとやってしまったら、お終いです。アナリストの頭の中には常にこの危険は潜んでいます。
本誌は、時々、君子豹変します。例えば、金相場、サイクル分析でも値幅分析でもまだ長期的な大底はまだか、と感じていた時期もありますが、そのときにおいても、「基本的には長期弱気だが、もし、この抵抗線を突破したなら、状況は一変し、長期強気、しかも爆発的な強気へと転換する可能性がある」ということを、常に意識し、書きます。相場は戦争です。勝ち負けであり、哲学ではありません。そのときには、自ら率先して君子豹変です。