酒田五法

酒田五法とは、伝統的な日本の罫線分析を総称したものであり、本間宗久が書き残したもの。
現存しておらず、解釈は様々である。

【1】三山

  • 赤三山
  • 三尊天井
「三山とは、大天井の大型を表す線。底値より波乱を繰り返しながら上進して下押す、この運動を三度繰り返して大天井を打つものならば・・・」とあり、「三段上げ」・「三尊天井」・「赤三山」の3つの解釈があるようだ。

【2】三川

  • 三川
  • 黒三川
「三川は三山の反対にして、底値にて突っ込みては戻すという運動を繰り返すをいう。
大底の意にして大体数ヶ月下落して起こる現象なり」
三川にも解釈が色々とあるが、代表的なものは「三川明けの明星」の上転換、「三川宵の明星」の下転換といったローソク足3本によるボックス圏での転換パターンであるが、異説も多く三山の反対という意味からすれば、逆三尊、三段下げなどにもこれを含むと考える。

【3】三空

所謂「窓」、「ギャップ」と呼んできるもの。三空踏み上げの場合、ギャップの第一が強力な新規買い、第二が売り方の撤退と買い方の増し玉攻勢、第三が売り方踏み上げとなり、酒田五法ではこれに売り向かえと教えている。

三空踏み上げに売り向かえ
三空売り
三空叩き込みに買い向かえ
三空買い
複数三空
複数三空
三空とは相場相当上進、益々人気旺盛にして遂に空間を生じて上放れ三回連続するを云う。
この場合、三度目の放れ線に被せ線が次に出現か、又は寄せ線が出ずれば大天井なり。而して三空に複線と単線あり。

【4】三兵

三兵とは上進開始の表徴にて、永く保ち合いたる市況が小短線にて陽線三本を連続して幾分づつ上位に進み表示するものにて 大上げの前兆としるべし。

赤三兵
赤三兵
赤三兵先詰り
赤三兵先詰り
赤三兵思案星
赤三兵思案星
三羽鳥
三羽鳥
坊主三羽
坊主三羽
同事三羽
同事三羽
高よりはしないが着実にジリ高となる陽線の三本連続を赤三兵といい、逆の陰線連続を黒三兵、又は三羽鳥という。
※三羽鳥は最初の陰線が安寄りとなることが条件。高寄りは「押え込み線」陽線、陰線の3連続は相場の波動的な位置を良く見て判断すること。

【5】三法

上げ三法
上げ三法
下げ三法
下げ三法
上げ三法 手前の三連続陰線を抜く大きな陽線の出現は利食いの売り一巡とみて、翌日高寄りしたら買いとなる。 下げ三法 手前の三連続陽線を下抜く陰線が出現したらショートカバーの一巡とみて売り増しの急所とする。

三法は手前の大きな陽線(又は陰線)に、続く3線が含まれることが条件。

三手打ち

  • 三手打ち
  • 三手打ちとは、下落途中で前三本を一挙に包んで戻した陽線のことをいい、逆向かいで売り増しかける急所となるとされる。 ただし、大底圏で持ち合っている相場の場合はこの長大陽線を似て買い転となることが多く、買い線となる。

捨て子線

  • 捨て子線天井
  • 相場の天井圏で上放れ同事線(寄引同値)が出て、その次の線が下に窓を開けた陰線(又は陽線でも良い)となった時、 上放れ同事線を捨て子線といい、暴落の兆しとなる。大底圏でこの逆のパターンとなた場合は、底打ち反転のサインとなる。
    捨て子した親は去りがたいが、意を決してその場を去る、というもの。又、「捨て子は見に来る」とも言い、 このギャップを埋めにくる。
  • 捨て子線中間
  • 相場の中間に出る同事線は捨て子線とはせず、さらに下落の徴候となる。 寄引同事線が出た場合、次に高寄りするか、安寄りするかを見極める必要がある。

寄り切り線

  • 寄り切り線
  • 寄付値を最高として下げた陰の寄付坊主(下カゲ長大陰線)が相場の天井圏で出た場合は売りの決定線となる。 ただし、予期せぬ大相場に化ける場合はこの陰線の高値を抜いてくることがあるので、この高値をストップロスの途転買いとする。 安値圏でこの逆のパターンの陽の寄り付坊主が出た場合は底打ちの買い。 包み線となることは必ずしも必要条件ではない。